ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2014年1月26日のショートストーリー

「掃除することから始めよう」

[ストーリー]

いよいよ今月で会社を辞める。
仕事より、家庭を選んだ私は、
これから待ち受ける新しい生活にワクワクする一方で、
社会人一年目からお世話になったこの職場に愛着もある。
だから一年目から続けてきたオフィスの掃除を
最後の日まで、念入りにやっている。

皆が出社してくる前の
しんとした空気がいつも好きだった。
机を拭いたり、ゴミを片付けたり、

私だって元々掃除が好きだったわけじゃない。
でも、高校の先生が私が迷った時、挫折した時に
いつもくれたのがこんな言葉だった。

「掃除することから始めよう」

先生は何かをリセットするように、いつもこう言って、
私たちは一緒に掃除をした。
それ以来、私にとって掃除はスタートラインになった。

出社最後の日、
最後の掃除をと思い意気込んでオフィスに入ると、
上司や同僚たちが、朝早くから勢ぞろいしていた。
皆は口々に「今まで、ありがとう」と感謝の言葉をかけてくれ、
そして、私たちは全員で、最後の掃除を、念入りにやった。

青森県「パピコ」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・永坂久美

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