ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2014年1月12日のショートストーリー

「誰も見てないときこそが、自分の姿」

[ストーリー]

日々人の前に立つ仕事をしている私は、
制服を脱いだ時の方が、むしろ試されているような気がしている。

更衣室で着替えていると、
後輩が後ろから声をかけてきた。
「美紀さんて、大和撫子ですよね」
「仕事中の仕草もだけど、そうやって着替えている姿も、なんか綺麗。
そう、そう、この間、駅で困っている人、助けてあげてたの、見ましたよ。」
そう言われると、何だか恥ずかしかったけれど
でも嬉しかった。

私には、お手本にしている人がいる。
中学の英語の先生だった彼女は、
優しくて、動きが優雅で、
私はあんな大人になりたい、といつも思っていた。

目をつぶると、可憐な花の香りが漂う先生の後姿が浮かぶ。
そして、昔、先生が教えてくれた、美しくあるためのヒントをつぶやいた。

「誰も見てないときこそが、自分の姿」

大人になった今の私を見たら、先生は何て言ってくれるかな、
そう考えながら、先生の穏やかな声と、花の香りを思い出していた。

北海道「みーちゃん」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・永坂久美

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