ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生！ アナザーストーリー

2013年4月7日のショートストーリー

「焦らないで！スタートラインはいつでも自分でひけばいいんだよ！」

[ストーリー]

念願だった海外への買い付けに行けることになった。
行先は、フィンランド。輸入商社に入って五年。
ようやくチャンスがめぐってきた。長かった髪をバッサリ切って気合を入れる。
同期のみんなは三年目から海外の買い付けを任されていた。
でも私は要領が悪く、やっとそのときが来た。
ヘルシンキでの商談会は年に一回だけ。さあいよいよ出発！という矢先、私は、階段で足をすべらせて右足を骨折してしまった。
病院のベッドでひたすら落ち込む。もうこんな機会はこないかも・・・。
焦る。無機質な天井を眺めていたときだった。
就職活動のときのことを思い出した。
そうだ、あのとき私は盲腸で入院したんだ。
気がせく私に、ゼミの先生がこう言ってくれた。

『焦らないで！スタートラインはいつでも自分でひけばいいんだよ！』

そっか・・・。あのときと同じ。私がスタートラインをひけばいいんだ。
今年がダメなら来年がある。
ありがとう、先生！

神奈川県「まま」さんの先生の忘れられないコトバでした。
脚本・北阪昌人

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