2026.03.03
より多くの人に最適な食事ケアを
ONE MORNING「The Starters」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。
今週と来週のゲストは、株式会社LIFE AI 代表の川端瞭英さんです。川端瞭英さんは東京都の出身。開成高校を経て琉球大学へ進学。西表島での研究生活を経た後、コンサルティング会社やベンチャー企業などでの経験を経て2024年に「LIFE AI(ライフエーアイ)」を設立されています。
会社があるのは福島県双葉郡大熊町だそうで、2024年の創業から大熊町にいらっしゃるんですか?
「2024年6月に創業しておりまして、2024年の4月から移住しているので、大体大熊町に移住して2年が経ちます。」
なんで大熊町を選ばれたんでしょうか?
「本当にいろんな理由があるんですけれども、ミッションというところでいうと、全てが一回原発事故でなくなってしまった、原発の5キロ以内で街がなくなってしまった土地からどうやって次の未来を作れるのか。健康や食からどうやって次の社会を支える仕組みを作れるのか。といったところをここからあえて作っていきたいという思いがあり、大熊町から事業を進めております。」
何か自分の知識とか行動によっていい方向に変えられるんじゃないか、そんな思いがあったんですね。
事業内容についても伺いたいんですが、会社名が「LIFE AI」ということでAIを使うビジネスということになるんですか?
「そうですね!今皆さんChatGPTなど様々なAIを使っていると思うんですけれども、まさにそういった LLM(Large Language Models)=大規模言語モデルを使っています。私たちのバイオデータ、体重計など皆さん毎日測っている方いらっしゃると思いますが、ほかにも血液検査や、場合によっては遺伝子検査などいろいろな検査で得られる体の情報はそのままだとなかなかわからないですよね。それを AI がわかりやすく解析して解釈して、「じゃあどうしたらいいのか」というところをサポートしてくれる、そして私たちがなりたい体になれるようなサービスを今頑張って作っています。」
僕は毎日体重計に乗っていて、最近体重が増加傾向なんですが、だからといって僕にわかることって「ちょっと太ったのかな?」くらいなんですよね。そういったところをもっと詳しくデータ分析をしていって、いろいろアドバイスやデータからわかることを出してくれるということですか!
「おっしゃる通りですね。そういった食事内容やカロリーを見ていくと、どういう食事内容が増えているなど、なかなか自分だけで気づけないことも気づけたり、場合によっては睡眠が乱れている、ストレスがかかっているんじゃないか、といったことも見えてきたりするかもしれないですね。」
AIアプリ「食トレ AI」というものがあるんですよね。これはどういったアプリなんでしょうか。
「「食トレ AI」というのは今私たちが作っているAI アプリで、検査の結果やバイオデータをもとに、最適な食事内容をAIが提案してくれる、食事の生活習慣をサポートしてくれるようなヘルスケア支援サービスというところで、栄養士さんやトレーナーさんなど、食事ケアを支援する人の業務を楽にしてくれる、そういったところのサービスとして作っております。」
具体的に皆さんどのように使用されているんでしょうか?
「今はスポーツチームなどで実証を行っている段階なんですけれども、選手の方たちの食事の内容をコントロールして、よりパフォーマンスを出せるようにするといったことをしています。やはりスポーツの領域ではニーズは大きいですね。」
アスリートの方は、食生活、体重が直でプレーに影響する場合もありますから、管理栄養士の方を専属でつけているチームもあったりするぐらいなので、そういった仕事をこの食トレAIがやってくれる、ということですね!
「おっしゃる通りです。さすが詳しいですね。実は管理栄養士の方がついているのはプロチームぐらいで、管理栄養士を一人つけられるのはお金があるチームだけなんです。業務もすごく大変で、選手一人一人のデータを毎日集めたり、アドバイスしたりするのは、見ていて本当に大変だなと思います。そういったところをなるべくサポートしていくというサービスです。現在は福島ウィーアーというチームをサポートしています。」
なでしこリーグを目指す女子サッカー女子のチームなんですね。
「福島ウィーアーさんにはすごくご協力いただいていて、選手たちが毎日データを入れてもらい、そのデータを基にアドバイスをする、ということをしているんですけれども、こういった生まれたてのチーム、お金がないチームでも最先端の栄養ケアを受けられるということを目指しています。」
今お金の話出たんですけど、食トレAIは使用するのにいくらぐらいかかるんですか?
「サービス、アプリケーションだけでしたら、月5000円ぐらいからで使えます。」
それは安いですね。月5000円で管理栄養士さんは雇えないですもんね。
「でもですね、私たちのサービスはそういった人がしていることをAIに置き換えるというサービスではないんですね。僕の思想として、「AI で人を置き換える」というのがあまりよくないんじゃないかなと思っています。特に食事とか人が人を支えるケアの領域では、それをAI に委ねてしまうというのは何か違うんじゃないかって思っています。データを入れる、頑張って自分自身の食事を改善する、そういったモチベーションってやはり支えてくれる人がいるからできるというところがあると思うんですよね。僕たちのAIは、そういった大変な仕事をいかに楽にするかサポートして、でも最終的には人が人を支える。そこが中心なんじゃないかなというふうに思っています。」
AIビジネスをされている方で、そういった思想をお持ちの方って少ないですよね。やはり人間がベースだぞという考えを根本としてお持ちなんですね。
「そうですね。あくまで人間中心。だからこそ「AI LIFE」ではなく、「LIFE AI」。LIFEがまず先なんです。」
実際にこの「食トレ AI」のサポートを受けた福島ウィーアーの方の感想などは届いていますか?
「半年間、実証実験をさせていただいていて、データを取ることって普通すごく難しくて、なかなか取れなかったりするんですけれども、今回は80%、期間によっては90%以上のデータを取れています。アプリケーションだけだと半年間でほとんどやめてしまい、3%ぐらいしかデータ取れないと言われているのですが、ものすごく密度の濃いデータがしっかり取れています。」
皆さんのご協力のおかげで精度がどんどん上がっていくわけですね。
「おっしゃる通りです。」
「食トレAI」、現在スポーツ選手に使っているという例をお話しいただきましたが、私たちの生活にも使えるんですか?
「将来的には、一般向けにどんどん拡張していきたいと思っています。トレーニング以外にも、医療分野や自宅で介護されている方のサポートもできるような仕組みを作っていきたいと思っています。」
介護の現場でも入所されている方それぞれのメニューを考えなきゃいけない。そして、子どもたちの食事管理も選択肢に入りますよね。幅広いジャンルでまだまだ可能性がありそうですね。
ちなみにこの「食トレAI」、どういう仕組みになっているんですか?
「仕組み的なところでいうとそこまで難しくはなく、皆さんの使っているChatGPTって自分たちの健康情報を毎日入れるのってすごく大変じゃないですか。なので、私たちのサービスは、検査結果や体重計の写真、スクリーンショットなどの画像を送るだけで、全部自動的にデータベースに入れてくれる。そういった一人一人個人の情報をAIがいつでもわかってくれている状態を作るというのがまず一つ目です。 もう一つは、それをもとにアドバイスをしていくんですけれども、やっぱりAIは間違ったことも言ってしまうわけですね。それを私たちはAIだけに任せるんじゃなくて、ちゃんと人のプロの管理栄養士の方がレビューをして、最終的には人からお伝えするという「AI+人」のサービスというふうに定義づけてやっております。」
もし「食トレAI」がどんどん評価されていって、精度もどんどん上がっていき、例えばメジャーリーグのチームや、ヨーロッパの強豪サッカークラブにも導入される未来があるんじゃないかなと思うんですけど、その辺りはどうでしょうか?
「そうなったら本当に嬉しいですね。もちろん本当にTop of Topのプロに使ってもらっても嬉しいんですけれども、私たちが目指しているのはどちらかというと、全国で困っている子どもたちや、これからプロ選手になりたい子どもたちが、なかなかお金や人がいないという理由で食事のケアを受けられない。そういった状況に対して、低コストでそういった食事ケアを受けられて、今までそういうことがなかったから成長できなかったが、これがあったおかげで体が大きくなって、世界で戦っていける。そんな未来が作れたらいいなと思っています。」
それは夢がありますね!
最後に、これまでに乗り越えてきたハードルを教えてください。
「たくさんのハードルがあったですけれども、ぶつかって「ダメだ、もう無理だ」みたいに思うことは本当にたくさんありました。でもその度に、周りの方たち、特に福島の仲間たちにたくさん助けられて、なんとか乗り越えてこられました。なので、これを聴いている方の中で挑戦してらっしゃる方、壁にぶち当たっている方いらっしゃると思うんですけども、なにか足掻いてみる、そして、たくさんの人に助けを求めているとなんとかなるんじゃないかなと思います。」






20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、





