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「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
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日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2023 04.10
ドローンを使った不法投棄抑止の実証実験

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

環境省によると、不法投棄の新規判明件数はピーク時の2000年頃に比べて、大幅に減少しています。その一方で、2021年度には年間107件、総量で3万7千トンもの悪質な不法投棄が新規に発覚していて、いまだ山林など人の立ち入りが難しい場所に捨てられるケースが後をたたないようです。

そういったなか、三重県では小型無人機「ドローン」を使って産業廃棄物の不法投棄を遠隔で監視する実証事業に取り組んでいます。三重県は、いまだ およそ1000トン近くの産業廃棄物の不法投棄があり、人の立ち入りが難しいところに捨てられるケースが多いそうです。

そういった背景を受けて導入された、今回の実証実験の概要と目的について株式会社プロドローンの常務取締役、市原和雄さんに、お話を伺いました。

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「やはり最終的には広い範囲の写真を撮りますので、自動的に検知するというところがゴールになります。今回そちらの自動検知もトライしたのですけれど、毎日もしくは毎週、特定の場所、同じ場所を飛びまして、その画像を比較して不法投棄が発生している、ごみが増えているところを自動的に検知するというところが目的です。今回は実験なので、特定のエリアを30分ほど飛んでというのが1つの作業でしたが、最終的には1日中飛んでいるような感じになると思います」

ドローンにはカメラが取りつけられ、AIを使って廃棄物を発見し、地上のパソコンのモニターでその場所を確認するようになっているそうです。
実は、ドローンを使った不法投棄の検知は今回が初めてではなく、他のところでも行われていたそうです。

「実はドローンを使った不法投棄検知は、10年ぐらい前からそこかしこの自治体で検証されていることはあります。衛星の映像を使ったりしているところもありますし、実際にドローン使ったところもありますし、そうしたトライは、まだ上手くいっていないんですね。やはり上手くいっていない原因としては、検知の精度が十分上げられない、それからドローンの飛行時間がバッテリーに制約されていてあまり長く飛べない、というところですね。
例えば、ドローンが1日飛べるのでしたらもう1機飛ばして、1日の間に県内の怪しいところを30か所40か所まわってしまうということもできるんですけれども、現状は頑張っても30分40分しか飛べません。そうすると、どうしてもたくさんの機体を一気に飛ばすということも難しいですし、そうした効率的なところがまだ問題になっているというところはあると思います。しっかり検知できるか、写真からちゃんと不法投棄を検出できるかというところなんですけども、ここがまだ技術的に確立されていないので、今回1つ大きなテーマは、そこを解決するための技術的検証をするというところはありました」

今回行った実証実験では、様々な発見があったそうです。

「ひとつは従来AIに頼りすぎていたというところがあるかと思います。つまり写真をぽっと撮って、これがごみですよ、ということを学習させると、次から比較をしなくても、ごみを検知できるというのは概念的には成り立ちますが、実際には非常に難しいです。
そういった中で、AIの機能を一部導入しながらも従来方式と組み合わせて堅実な検知をするという手法を今回トライして、なんとか形になりそうだというところまでたどり着けたのが、今回の大きな成果かと思います。
スクリーニングというのですが、例えば1万枚写真を撮りましたと。その中でそれを全部人が見るのは非常に大変なので、不法投棄とおぼしき場所をリストアップする。それが例えば10数か所であれば、十分人が見られる量だと思うんですね。なので、最終的には人が検知して職員を派遣するんですが、人が十分見られるところまでスクリーニングを行うというところを目標にしています」

最後に今後の展開について、市原さんに伺いました。

「ゴールのイメージとしては、市役所の屋上に不法投棄監視ドローンが3機、常に待機していて、毎日決まった時間になると飛んでいって、不法投棄を監視して戻ってくる。このようになるべく人の手を患わせない状態で離着陸をして、自立で写真を撮る。
そして、知らない間に写真が溜まって、怪しいと思われるところが係の人に通知される。ドローンが入ったせいですごく楽になったよねと、それが本当に実現できるというところがゴールになりますので、そのゴールに向けて意思統一はできていると思います」

市原さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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