浜崎 2足のわらじをずっと続ける、という選択はなかったんですか?

川浦 はい。ブランドを大きくしたいと思っても、会社を辞めずには、時間が取れないから大きな仕事はできない。休みが取れないから、ショップの出店もできない。そういった“できないこと”が、次第に多くなってきたんです。しかも社内では、みんな真剣に仕事に取り組んでいるのに、私の気持ちはブランドに動いていた。それが何だか申し訳ないという気持ちもありました。

浜崎 そうだったんですね。独立してから今日まで、大変だったことはありますか?

川浦 いまはまだ、予期せぬ出会いに驚いたり、喜んだりすることの方が多いですね。もしかしたら今後、大きな壁にぶつかる日も来るのかもしれませんが。

浜崎 そのときはどう対応しますか?


川浦 「やるしかない」の精神で乗り越えたいです(笑)。もともとモノ作りをしていたタイプなので、できれば人に会わず、本当はミシンに黙々と向き合っている方が性には合っているんです。でも自分のブランドですから、何でも「やるしかない」と思いますし、すべてのことに責任を持ちたいと思っています。だから現在も、自分で営業して、自分で情報を発信しています。

浜崎 ある意味、アイテムは自分の子どもたちですもんね。

川浦 本当にそうですね。ブランドのためなら、何だってできるなと思います。

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