【片桐仁】
1973年生まれ。埼玉県出身。多摩美術大学の同級生・小林賢太郎さんとお笑いコンビ「ラーメンズ」を結成。
舞台でコントや演劇など、数々の作品を発表し、現在は役者として映画やドラマでも活躍。
さらに、美大出身ということもあり、去年は、粘土を使ったアート作品を 展示する個展を開催し、2万人を動員。
今年も各地で個展の開催を予定しています。


■20代、30代、40代……年齢を重ねて


本部長：アーティスト 片桐仁としてお話を伺いたいんですけど、20代、30代、40代と年齢を重ねて、仕事の向き合い方って変わりましたか？20代は、なめてたなとか（笑）。

片桐：逆に20代の方が気負ってた部分もあるし、自分を表現しないきゃいけないみたいな義務感に苛まれていたというか、気付けば20年やってるから、そうすると、来た仕事を楽しくやるかどうか…だいぶ、ラクに楽しくできるようになりましたね。

本部長：僕からしたら色々なことができる方なんですけど、40代になって”これは手を出さないな”っていうのはありますか？

片桐：逆に、テレビのバラエティーに一切手を出して来なかったけど、去年ドラマの関係で出ることになって。
バラエティーも頑なに出ないようにしてたところもあって、そこも人間たちが一生懸命作っているっていう…すごく尊い現場だなと思って。
勝手にテレビに対する恐怖心があったりとか、頑なになっている部分が、20代、30代、40代で揉みほぐされたのかなと思いますね。

本部長：そういうことを口にしてラジオで話してくれるというのも、年を重ねてきたからですよね。



■自意識は損

片桐：とにかく変に見られたいとか、エキセントリックな存在だと思われたかったから。
素の自分を見られることが弱さを見せるみたいな感じで、良くないと思っていたけど誰にでも腹を見せようと思って。

本部長：そっちの方が楽ですよね。

片桐：演劇の現場に行くと演出家という人がいるので、『僕はこういう人間です！』って言うと
『そういう人間の、その部分じゃないところやって』って、意外と僕が見せたくない恥部をあえて晒してくださいみたいな（笑）。

本部長：その方が面白いですもんね！かっこいい部分とか、個人が見せたい部分っていうのは、意外とお金払って見ようと思わないんですよね。

片桐：1人の人の魅力なんて、その人からするよりも、周りの人から見た方がいろいろなことを発見してもらえるのが分かったので。
20代の自分に言いたいですよね『もっと人と関わっていけ』っていうね（笑）。

本部長：いま、ラジオの前で聞いてる20代の方もたくさんいると思うんですよ。そういう人たちに、”殻なんか作らなくていい”と。

片桐：”お前のことを考えてるのは、お前しかいないんだからね、自意識は損だよ”って思いますよ（笑）。




■舞台「サクラパパオー」


本部長：片桐仁さんは、今月、仕事と競馬をルーティンにしている僕も（笑）、非常に気になる舞台に出演されます。
「サクラパパオー」というタイトルですね。

片桐：「サクラパパオー」このタイトルが、ある競争馬の名前なんです。

本部長：これ、競馬の話なんですか？

片桐：競馬場の話なんですよ。

本部長：たまらない！（笑）

片桐：競馬好きにはマジで来てほしいんですよ！役者9人いるんですけど、上の世代の競馬場にいそうな感じというか（笑）。
言っちゃうと、競馬場にいるダメな人たちを愛おしく見てほしいというか……なんか知らないけど、その日出会った人たちが力を合わせて、何だか感動してしまうっていう。

本部長：え？あの空間で感動があります？（笑）

片桐：あるんですよ（笑）。
競馬場で、その日しか会ってないし仲良くなるはずがないメンバーが、一つの競馬のレースに対して熱を持って観るという。
絶対、競馬好きの人は見てほしいし、競馬したことがない人でも競馬場っていう異空間、あそこではファンタジーの世界ですから。だから、劇場に近いんだなと思いましたね。
それは見てもらえれば、非常にウェルメイドな作品になっていますので。

■「パルコ・プロデュース　サクラパパオー」
日時：4月26日（水）〜30日（日）
会場：彩の国さいたま芸術劇場 大ホール


日時：5月10日（水）〜14日（日）

会場：東京国際フォーラム ホールC

「サクラパパオー | PARCO STAGE」公式ホームページ



来週のゲストは、小説家として黒木渚さんが登場します！
お楽しみに！