NAGOMI Setouchi

2019
07/06

瀬戸内国際芸術祭 edition
Setouchi Triennale 2019
「小豆島篇②」

もしあなたが鳥になり、瀬戸内の空を飛んでいけば、あまりに美しいその景色に涙を流すことでしょう。青い湖のような瀬戸内海に、ぽこぽこと浮かんでいる島々。陸地には森や田畑が広がり、穏やかな海には漁船が行き交います。瀬戸内を旅すると、あなたは、海と山とがかくも近くに存在し合っていることに気づくでしょう。山が雲を集め、雨を降らせ、森を育み、流れる川は海へと注ぎ込みます。いのちの繋がり、多様性・・・瀬戸内は、そんなことを教えてくれます。シルクロードの命名者として知られる、ドイツの探検家・地理学者、フェルディナンド・フォン・リヒトホーフェンは、明治維新直後、瀬戸内を旅し、日記にこう書きました、「これ以上のものは、世界のどこにもないであろう」

4月26日から5月26日まで開催されていた、瀬戸内国際芸術祭2019の春会期。瀬戸芸スペシャル・ナビゲーターの前田エマさんは、開幕式直前から開幕直後まで高松に滞在し、瀬戸芸の舞台となる島や町、集落を訪れ、取材しました。そのときの旅から、今週も引き続き小豆島の旅をご紹介します。
「瀬戸内国際芸術祭2019」

瀬戸内の島々を旅していると、あちこちでこのブルーの幟(のぼり)を見ます。瀬戸内国際芸術祭2019、もうすぐその夏会期が始まります。各地でアーティストやスタッフが、夏会期の準備に忙しくしています。前田エマさんは、瀬戸芸実行委員会の藤本彩乃さん、そして、ご自身のオリーブ農園の中に作られた作品「オリーブのリーゼント」を大切に守る石井岩男さん(地元では「岩ちゃん」の愛称で呼ばれ親しまれています)に連れられて、小豆島の「醤の郷(ひしおのさと)」を散策しています。

いつ、どこにいても、醤油の香りがただよっている小豆島。醤油の島、素麺の島、オリーブの島。醤の郷には、昔から続く醤油蔵が今も残ります。

「岩ちゃん」こと石井岩男さんが連れてきてくれたのは、醤の郷ならではの、あるものを作る工場。その「あるもの」は、私たちがよくお世話になっているもの……

そうです! お弁当などの中に入っている、この小さな醤油入れ。

そして、老舗の正金醤油へ。

酵母がたっぷりついた、醤油工房。醤油の匂いが漂います。

醤油が生きていることが、わかります。

醤油蔵見学のあと、岩ちゃんに誘われて、裏の丘を登ります。

小高い丘の上からは、醤の郷が見渡せました。

岩ちゃんが生まれ、育った場所。

小豆島にやって来たら、ここに行かないと! 草壁港にある、「大阪屋」。前田エマさん、名物の「ひしお丼」をいただきました。

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