NAGOMI Setouchi

2019
05/11

瀬戸内国際芸術祭2019
Setouchi Triennale 2019
「男木島と北浜アリーで、瀬戸芸の魅力を聞く」

もしあなたが鳥になり、瀬戸内の空を飛んでいけば、あまりに美しいその景色に涙を流すことでしょう。青い湖のような瀬戸内海に、ぽこぽこと浮かんでいる島々。陸地には森や田畑が広がり、穏やかな海には漁船が行き交います。瀬戸内を旅すると、あなたは、海と山とがかくも近くに存在し合っていることに気づくでしょう。山が雲を集め、雨を降らせ、森を育み、流れる川は海へと注ぎ込みます。いのちの繋がり、多様性・・・瀬戸内は、そんなことを教えてくれます。シルクロードの命名者として知られる、ドイツの探検家・地理学者、フェルディナンド・フォン・リヒトホーフェンは、明治維新直後、瀬戸内を旅し、日記にこう書きました、「これ以上のものは、世界のどこにもないであろう」

「瀬戸内国際芸術祭2019」が開幕し、春の大型連休が終わりました。芸術祭の舞台になっている島々には、大勢の旅行者が訪れ、大にぎわいでした。

「瀬戸内国際芸術祭2019」

「NAGOMI Setouchi 瀬戸芸edition」スペシャル・ナビゲーターの前田エマさんは、男木島へやって来ました。瀬戸芸の魅力について教えてくれる人に会いに。船が男木島港に近づくと、その独特の島の眺めに、思わず目を奪われます。おにぎりを思わせる、三角形の、小さな山のようにも見える島。その山肌にへばりつくようにして、古い木造の家々が連なっています。黒い瓦屋根、道があるのか、ないのか、家々が密集していて……とても不思議な……独特な……その初めて見る景色に、わくわくします。島民はいま160人前後と言われますが、猫はもっとたくさんいるらしく、「人より猫の方が多い島」とも呼ばれています。

瀬戸内国際芸術祭の舞台になってきた男木島には、いくつか面白い場所がありますが、「男木島図書館」もそのひとつ。男木島図書館の創設者であり、理事の、額賀順子(ぬかが・じゅんこ)さんにおはなしを聞きました。

「男木島図書館」

「人より猫の多い島」、港にいると、エマさんに、すぐに猫が近づいてきました……
「さわっていいにゃ」

「ほら、さわれ」

「そうそう、背中が気持ちいいにゃん」

「ふぅ……。人間の相手をすると、疲れるにゃ〜」

その後、前田エマさんは、高松へ戻り、「北浜アリー」へ。ここは一見、古びた倉庫街。赤茶けたトタン、錆びた鉄、古い木の柱、ツタが絡まった壁……。ここは、高松の、「古くて、新しい場所」。海辺の使われなくなっていた倉庫が、レトロモダンなレストラン、カフェ、ショップになっています。瀬戸内海の潮風、青い空と島影を感じながら、のんびり過ごせる場所。

懐かしさと新しさが出逢うこの場所を手がけた人のひとりで、「デザインラボラトリー蒼(あお)」の代表、アートディレクター、写真家でもある、柳沢高文さんに、おはなしを聞きました。柳沢さんは、ここ北浜アリーで、「umie(ウミエ)」という、地元の人たちにも旅行者にも人気のカフェ&レストランを営んでいます。
「umie」

ここ北浜アリーも、今回の瀬戸芸の舞台のひとつです。

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