- 瀬戸芸の旅人
- 前田エマ(モデル)
「瀬戸内国際芸術祭2019(瀬戸芸)」に向けて、スペシャル・パーソナリティそして瀬戸芸の旅人、前田エマさんが、東京・半蔵門のTOKYO FMスタジオに瀬戸内国際芸術祭総合ディレクターの北川フラムをお迎えして、4月から始まる「瀬戸芸」のテーマ、思い、見どころなどをうかがいます。
もしあなたが鳥になり、瀬戸内の空を飛んでいけば、あまりに美しいその景色に涙を流すことでしょう。青い湖のような瀬戸内海に、ぽこぽこと浮かんでいる島々。陸地には森や田畑が広がり、穏やかな海には漁船が行き交います。瀬戸内を旅すると、あなたは、海と山とがかくも近くに存在し合っていることに気づくでしょう。山が雲を集め、雨を降らせ、森を育み、流れる川は海へと注ぎ込みます。いのちの繋がり、多様性・・・瀬戸内は、そんなことを教えてくれます。シルクロードの命名者として知られる、ドイツの探検家・地理学者、フェルディナンド・フォン・リヒトホーフェンは、明治維新直後、瀬戸内を旅し、日記にこう書きました、「これ以上のものは、世界のどこにもないであろう」。
「瀬戸内国際芸術祭2019(瀬戸芸)」に向けて、スペシャル・パーソナリティそして瀬戸芸の旅人、前田エマさんが、東京・半蔵門のTOKYO FMスタジオに瀬戸内国際芸術祭総合ディレクターの北川フラムをお迎えして、4月から始まる「瀬戸芸」のテーマ、思い、見どころなどをうかがいます。
この春、4月26日(金)から、「瀬戸内国際芸術祭2019」が始まります。
「瀬戸内国際芸術祭2019」
香川県高松市を拠点に、小豆島、大島、女木島、男木島、豊島、直島、粟島、岡山県の犬島、宇野港など、瀬戸内の海といくつもの島々を舞台に開かれる、トリエンナーレ、3年に一度開催される、海と島々を繋ぐアート・フェスティバル。日本国内はもちろん、世界中から大勢の人々が訪れるイベントです。
時間を調べ、船に乗り、島へ渡って、バスに乗り、あるいはレンタサイクルや徒歩で島を巡り、芸術祭を楽しみます。「アート作品を観る」だけではありません。身体全体で体感して、心が大満足する、「旅するアートの世界」。島の人々と触れあい、風土や歴史を感じる旅が、瀬戸内国際芸術祭の醍醐味です。北川フラムさんは言います、「なぜそんな広範囲にポツポツと作品を展示するのか。ひとつの場所にまとめて展示すれば手早く観られて効率的だ、と人々は考える。それでは意味がない。ぼくが総合ディレクターを務める瀬戸芸も、越後妻有・大地の芸術祭も、作品を探して里山を歩いたり、船で島へ渡りながら、その土地の歴史や魅力を再発見することにこそ大きな意義がある」
「ひとつの美術館で全部見られたら効率的かもしれない。でも、瀬戸内国際芸術祭は、そういう効率や便利さから遠く離れた世界のものなんだ」と北川フラムさん。「スマートフォンやインターネットは便利だけれど、その便利さによって世界中のどんなところの情報も映像もすぐに手に入ってしまう。それで多くの人々は満足してしまい、結果どこにも行かなくなる。便利さによって人々は自由に旅することを失ってしまった。瀬戸芸は、自分で自由に移動して、自分自身で観ることをアレンジしていく。自分の自由な裁量でどのように観てもいい。これは、とても自由な芸術祭なんだ。皆さんが自由に、自分のペースで、自分のプランで、楽しんでくれればいい」
島の人々と出逢い、触れあい……
鳥たちが羽ばたく空の下で……
ローカルフードに舌鼓をうち……
瀬戸内の季節を感じながら……
「NAGOMI Setouchi 瀬戸芸edition」。1月、2月と、瀬戸内国際芸術祭総合ディレクターの北川フラムさんへのインタビューや、日比野克彦氏、宇川直宏氏など瀬戸芸に参加するアーティストたちへのインタビューを、お届けしていきます。また春からは、旅人が瀬戸内を旅していくスタイルに戻りますが、瀬戸内国際芸術祭の期間中は、瀬戸芸の舞台となる島々を中心に旅をしていきます。1月から11月にかけての旅人は、この番組のスペシャル・パーソナリティ、前田エマさんが務めます。瀬戸内国際芸術祭2019は、4月26日(金)から。
前田エマさんが北川フラムさんにおはなしをうかがう
「NAGOMI Setouchi 瀬戸芸edition」。
番組では、来週もダイアローグが続きます。
島で、待ってるにゃん。
1992年神奈川県生まれ。東京造形大学卒業。オーストリア、ウィーン芸術アカデミーに留学中からモデル、エッセイ、写真、ペインティング、朗読、ナレーションなど、幅広い分野で活動をスタート。「瀬戸内国際芸術祭」、越後妻有「大地の芸術祭」など、国内外の芸術祭やミュージアム、ギャラリーなどを自ら巡り、取材。芸術祭やファッション・ショーなどではモデルとして、時に朗読者としても参加。自身の個展開催やグループ展参加など、アーティストとして活動している。雑誌、WEBなどでエッセイ連載、コラムなどを通して、アートやファッションについて執筆している。大の旅好き、将棋好き。