- 今月の旅人
- 知花くらら(モデル)
沖縄県那覇市出身、島人でもある知花くららさんが、瀬戸内の多島海を旅します。沖縄の島々を旅し、世界各地を旅してきた知花くららさんが見て、感じる、瀬戸内の海と島々、自然、人々の営み。男木島、豊島、高松と、秋の瀬戸内を旅します。
もしあなたが鳥になり、瀬戸内の空を飛んでいけば、あまりに美しいその景色に涙を流すことでしょう。青い湖のような瀬戸内海に、ぽこぽこと浮かんでいる島々。陸地には森や田畑が広がり、穏やかな海には漁船が行き交います。瀬戸内を旅すると、あなたは、海と山とがかくも近くに存在し合っていることに気づくでしょう。山が雲を集め、雨を降らせ、森を育み、流れる川は海へと注ぎ込みます。いのちの繋がり、多様性・・・瀬戸内は、そんなことを教えてくれます。シルクロードの命名者として知られる、ドイツの探検家・地理学者、フェルディナンド・フォン・リヒトホーフェンは、明治維新直後、瀬戸内を旅し、日記にこう書きました、「これ以上のものは、世界のどこにもないであろう」。
沖縄県那覇市出身、島人でもある知花くららさんが、瀬戸内の多島海を旅します。沖縄の島々を旅し、世界各地を旅してきた知花くららさんが見て、感じる、瀬戸内の海と島々、自然、人々の営み。男木島、豊島、高松と、秋の瀬戸内を旅します。
高松港から、定期船に乗って女木島経由でおよそ40分。海上タクシーなら、30分かからずに到着する、男木島。高松からすぐ、でも高松とはまったく異なる時間が流れている島です。男木島が見えてきました……
港のすぐ背後に、段々になりながら寄り添うように集落があります。独特の風景。島民およそ170人の小さな島。
島のあちこちに、瀬戸内国際芸術祭に参加した「作品」や「場所」「空間」「モノ」があります。
「こんにちにゃん」
「むむむっ、おまえら、誰にゃ?」すぐに近づいてくる猫もいれば、警戒心の強い猫も。男木島は、「人より猫の方が多い島」と言われ、猫好きな人たちがカメラを持って大勢やって来るのも特徴です。
「NAGOMI Setouchi」の常連メンバー(?)、ダモンテ海笑さんと、奥様の祐子さんに会いに、「ダモンテ商会」へやって来ました。もちろん、男木島に初めて上陸した知花さんにとっては、何もかも初体験。「ダモンテ商会」は、ダモンテ海笑さんと祐子さんが営むベイカリーカフェ。オーガニックの自家製小麦、島の野菜やハーブにもこだわった、2人の手作り料理やパン、ワイン、ビール、自家焙煎のコーヒーを楽しめる、とてもとても素敵なお店なのです。
海笑さん、祐子さん、そして今年2月に誕生した凪ちゃん(男の子)の3人が、迎えてくれました。
凪吸い!
ランチタイム!
海笑さんと祐子さんが手作りする料理は、いつもほんとうに美味しいのです。イタリア、フランス、ギリシャ、レバノン、アメリカ……などなど、2人がかつて旅してきた世界各地のいろんな味わいが見事にクロスオーバーしている、無国籍でヘルシーなプレートばかり。島でとれた野菜、島で小麦から作って焼いている自家製ブレッドと、男木島の風土も込められています。
ダモンテ海笑さんが焼いたパンは、いつも最高の美味しさ!
海笑さんはパン職人であり、コーヒーの焙煎士であり、大工、ファーマー、父親で夫、そして猟師でもあります。島で自らハンティングしたイノシシを自分で捌き、調理、料理して出してくれます。とても、とても美味しいのです。
祐子さん手作りのオートミール・クッキーとグラノーラもオススメです。パンもグラノーラも、そして自家焙煎のコーヒーも、ダモンテ商会のサイトから購入可能です。
「ダモンテ商会」
何度でも戻ってきたくなる場所。美味しくて、やさしくて、ほっこり癒やされるお店「ダモンテ商会」。男木島を訪れるときは、ダモンテ商会がオープンしている日がオススメです。
「ダモンテ商会 Instagram」
島の集落を歩いていると、「凪ちゃん可愛いね~」とみんな寄ってきます。島では、子供は「みんなの子」。凪ちゃんは「島民全員の息子」なのです。
「NAGOMI Setouchi」が愛してやまない男木島。凪ちゃんが生まれるよりもっと前、ダモンテ商会のベイカリーカフェが誕生する前に、番組はダモンテ海笑さんと祐子さんに出逢いました。以来ずっと、お2人の(今では3人の)営み、成長、暮らしを、時々のぞかせていただいています。この番組の、瀬戸内への旅の大きな扉を開いてくれた、海笑さんと祐子さんなのです。ほんとうにいつもありがとうございます。
そしてもちろん、「男木島図書館」も。ここの庭で、「NAGOMI Setouchi」はかつてダモンテ海笑さんと初めて出逢ったのでした。
「男木島図書館」
「男木島図書館」創設者で理事長の額賀順子(福井順子)さん、そして、旦那さんの福井大和さんは図書館の建物係(雨漏りすれば屋根に上がって直し、草が伸びたら刈り取って。いつも大忙しの大和さんです)。大和さんは生まれも育ちも男木島の、男木島の島人です。
男木島で午後をのんびり過ごし、夕方、知花くららさんをのせた船が男木島港を離れていきます。ダモンテ海笑さん、祐子さんは、いつもこうして船が遠く離れて見えなくなるまでずっと手を振り続けてくれます。この日は、凪ちゃんも一緒に3人で、いつまでも手を振ってくれました。「NAGOMI Setouchi」、また会いに来ます!
多数の女性ファッション誌でモデルを務めるほか、TV・ラジオ・CMに出演している。2015年12月、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」津田梅子役で女優デビュー。2016年10月、フジテレビ系「キャリア~掟破りの警察署長~」では、ヨガインストラクターの加納理香役として連続ドラマレギュラー初出演。現在は、JFN「企業の遺伝子」にレギュラー出演、集英社「Marisol」、プラネットライツ「男の隠れ家」にて定期連載中。また、国連WFP日本大使としてアフリカやアジアなど食糧難の地域への現地視察を行い、日本国内で積極的に現地の声を伝える活動を行っている。30ヶ国以上の海外への旅で得た経験、高い社会性と知性、また女性からの強い支持を受けている自然体な内面性・ファッション面、語学力を活かし国内外で活躍中。
知花くらら公式サイト