- 今月の旅人
- 山根基世(『NAGOMI Setouchi』案内人。
元NHKアナウンサー)
元NHKアナウンサー)
『NAGOMI Setouchi』スタート時より、番組の案内人を務めている山根基世さんが、今月の旅人。瀬戸内生まれ、育ちの山根さんが、愛媛県道後をベースに、松山、しまなみ海道を旅していきます。その旅の背景にあるのは、種田山頭火。九州に生まれ育った山頭火は、晩年を松山で過ごし、その地で没しています。
もしあなたが鳥になり、瀬戸内の空を飛んでいけば、あまりに美しいその景色に涙を流すことでしょう。青い湖のような瀬戸内海に、ぽこぽこと浮かんでいる島々。陸地には森や田畑が広がり、穏やかな海には漁船が行き交います。瀬戸内を旅すると、あなたは、海と山とがかくも近くに存在し合っていることに気づくでしょう。山が雲を集め、雨を降らせ、森を育み、流れる川は海へと注ぎ込みます。いのちの繋がり、多様性・・・瀬戸内は、そんなことを教えてくれます。シルクロードの命名者として知られる、ドイツの探検家・地理学者、フェルディナンド・フォン・リヒトホーフェンは、明治維新直後、瀬戸内を旅し、日記にこう書きました、「これ以上のものは、世界のどこにもないであろう」。
『NAGOMI Setouchi』スタート時より、番組の案内人を務めている山根基世さんが、今月の旅人。瀬戸内生まれ、育ちの山根さんが、愛媛県道後をベースに、松山、しまなみ海道を旅していきます。その旅の背景にあるのは、種田山頭火。九州に生まれ育った山頭火は、晩年を松山で過ごし、その地で没しています。
今日の取材は松山城。待ち合わせは、松山城へ上がるロープウェイ乗り場の入り口でした。そこへ向かう少し手前に、たくさんの猫たちが日だまりの中に! 実は山根基世さん、猫が大好き! 「20年以上一緒に暮らしてきた猫が他界してから、猫に触れていなくて。瀬戸内には猫がたくさんいるから、今回の旅で「猫充」(猫で充電?)したかったの」と言うと、駆けるようにして猫たちのそばへ。
子猫の一匹が、目に目やにをたくさんつけていて、少し炎症を起こしかけていました。山根さんは慣れた手つきでその子猫を膝に乗せると、自分のハンカチを少し濡らして、目やにの掃除。とても慣れた手つきなので、子猫も気持ちよさそうにされるがままです。
後ろ髪を引かれながら猫ちゃんたちとお別れした山根基世さん。ロープウェイ乗り場からロープウェイではなく、リフトに乗って、ゴキゲン! 向かったのは……
愛媛県松山市のシンボル、街の人々に愛される、松山城です。松山の街を歩いていて、いつもそこに見えている、見えていないときでも存在を感じている、それが、松山城。松山は城下町。城の天守閣からは、松山の街が一望でき、瀬戸内の波光も届きます。
松山城を案内してくださった、松山市「坂の上の雲ミュージアム」館長、松本啓治さん。標高132メートルの勝山山頂にある松山城。松本啓治さんが「ロープウェイよりリフトの方が絶対いいですよ」と言って、山根基世さんはリフトに乗ったのでした。「風を感じられますから」と松本さん。なるほど、確かにその通りでした。松山の風を感じ、足下には勝山の森と庭園が広がり、辺りからはいろんな野鳥の声が響いてきました。
「坂の上の雲ミュージアム」
大きさ、美しさが、迫ってきます。
大きなお城ですが、実は小さな見どころがたくさんあります。
ほら、こんな感じ。
でも、やっぱり、天守閣からの眺めが一番!
愛媛の山々と……
瀬戸内の海の光と……
松山の街並みと。
東西南北、ぐるりと見渡せて、
いつまでもいつまでも……見ていてまったく飽きません。
松本啓治館長、どうもありがとうございました!
城にゃん。
1948年、山口県生まれ。1971年、NHKにアナウンサーとして入局。大阪勤務、その後東京NHK放送センター・アナウンス室に。主婦や働く女性を対象とした番組、美術番組、旅番組、ニュース、ナレーション多数を担当。2005年、女性として初のNHKアナウンス室長に。2007年、NHKを定年退職。LLP「ことばの杜」設立。2013年「ことばの杜」解散後、地域作りと言葉教育を組み合わせた独自の活動を続けている。東京大学客員教授、女子美術大学特別招聘教授歴任。学校法人桑沢学園理事。学校法人順心広尾学園理事。公益財団法人文字・活字文化推進機構評議委員。シチズン・オブ・ザ・イヤー選考委員会委員長。「感じる漢字」「ことばで『私』を育てる」ほか、著書多数。TOKYO FM「感じて、漢字の世界」JFN全国38局ネットで放送中。
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