戦後日本の“ねじれ”に
付き合うということ
カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授マイケル・エメリック
戦後日本の内部に潜む「ねじれ」の正体を考察した『敗戦後論』は国内にとどまらず、海外でも議論の種となった。
加藤典洋氏は日本が抱える大きな問題を、冷徹な手さばきで突き放すように分析するのではなく、生涯をかけて「付き合う」ように捉えていた、
と加藤氏の翻訳パートナーであったカリフォルニア大学ロサンゼルス校教授のマイケル・エメリック氏は言う。
そこにこそ、加藤典様氏の思想のあたたかさがあったのである。大きな思想家の逝去によってポッカリ空いた穴を果たしてマイケル・エメリック氏はどう受け止めるのか ――。