石丸:町田啓太さん、お久しぶりです。
町田:お久しぶりです。お会い出来て嬉しいです。
石丸:こちらこそ、ありがとうございます。これから5週にわたって色んなお話を聞かせてもらいたいのですが、このサロンでは、人生で大切にしている“こと”や“場所”について伺っています。今日はどんなお話を聞かせていただけますか。
町田:今日は「『アルケミスト 夢を旅した少年』という本」についてです。
石丸:僕も読んだことがあるよ。町田君よりもうちょっと若い頃だったかもしれないけど(笑)。
町田:世界的なベストセラーですし、昔から皆さんが愛読されていると思うんですけれども。
石丸:知らない人のために本の紹介をしますと、『アルケミスト 夢を旅した少年』は、ブラジルの小説家パウロ・コエーリョの世界的ベストセラーで、羊飼いの少年が宝物を探しに旅に出て、そこで多くのことを学んでいく物語です。
町田:物語自体はすごくひねりが加わったものではなくて、“少年が夢を持って旅をして宝物を見つけに行く”という。その旅を通して色んな気付きがあるんですが、その気付きが僕はすごく大好きで。
石丸:例えば、どんな気付きが自分にヒットしましたか?
町田:色々あるんですが、例えば、「お前の心に耳を傾けるのだ。お前の心はすべてを知っている。」というところが、最初に引っかかった言葉です。
“自分を信じてやれば良いんだよ”という自分の良心に素直に従っていけば、宝物であったり、自分が行きたい場所にたどり着けるんじゃないかと。
石丸:励ましてくれる本だね。
町田:すごく。多分、(本を読んだのが)20代半ばくらいだったと思うんですが、(心に)ビシバシ来てしまいまして。
石丸:ビシバシと来るような悩みごとがある時期だったのかな。
町田:やっぱりありましたね。お芝居を始めていたんですけど、色々考え過ぎてしまって整理がつかなくて、“選択肢は沢山あるけれどどうしたら良いんだろう”と迷っている時に、(この本を読んで)「純粋に自分の心が動くかどうか」にスポットを当てて行動して、楽しく前向きにしていれば、何かが…。
石丸:そうだね。この本はポジティブになるんだよね。「くよくよするな」ということだよね。
町田:そうです!
石丸:「当たってくだけろ」みたいなね。
町田:「とりあえずやったら良いじゃないか」と。
石丸:僕も読んだ頃に同じようなことを感じて、“背中を押してくれる本だな”と思ったんだよね。だから僕も本当に良い本だと思います。ただ、今日、町田君が挙げてくれるまで(内容を)すっかり忘れていたんだけど、今、この年齢でも改めて読んでみたいと思うよね。“今度はどこに響くんだろう”と。
町田:そうなんです。読む心情というか、自分の状況によって響くポイントが変わったりするので、(読む)年代によっても(感じ方が)違うと思います。
数年ごとでも良いですし、気付いた時に読むと良いんじゃないかなと。
石丸:そうだよね。
町田:リスナーの皆さんにも読んで欲しいですね。
石丸:読んで欲しいよね。町田君は、そもそも読書はどう?
町田:僕は割と好きな方で読むんですが、読むペースが遅すぎて(笑)。
読み終わるのにかなり時間がかかったりもするんです(笑)。
石丸:なるほど。最近、「これが面白かった」という本はある?
町田:今は、実は(2024年の)NHK大河ドラマ(『光る君へ』)の藤原公任という役で出演させてもらうので、それにまつわる本を読んでいます。平安時代の話なので、「どういう生活を送っていたのか」とか「どういう時間の中で生きていたのか」とか、分からないことが多すぎるので、まずは時代背景から。
石丸:大事だよね。俳優って面白いよね。自分たちが今生きている時代じゃない、知らない(時代の)話を(演じる)。例えば、僕らも少し前に一緒に大河ドラマ(『青天を衝け』(2021))をやったけれど、あれも江戸時代から明治時代あたりの話じゃない。そんな時代に生きていないものね。
町田:幕末の雰囲気は分からないですもんね。
石丸:僕も勉強しましたけど、本があるのはありがたいよね。
町田:ありがたいです。本というのは、それを作った方や書いた方の(知の)財産に触れられるというか、読めば分かるというところが、なんて素敵なものなんだ、と。
石丸:確かにね。さて、話は変わりますが、WOWOWで放送、そして配信される「連続ドラマW フィクサー Season2」が7月9日からスタートしますね。世の中を裏から操る“フィクサー”の暗躍と金と権力に群がる人間を描いた3シーズンに渡る大型ドラマシリーズです。
今は「Season2」ですが、町田君は前回(Season1)から出ていらっしゃるんですね?
町田:そうですね。
石丸:今回は、“冤罪”をテーマに、唐沢寿明さん扮する主人公のフィクサーが暗躍。町田さん(渡辺達哉役)は、冤罪事件で逮捕されてしまうかなり重要な役どころですね。
町田:そうですね。Season1では、僕(の役)は、新聞記者としていろんな暗躍者であったり権力闘争を追いかけていた立場の人間だったんです。Season2になると、「フィクサー」と呼ばれる唐沢寿明さん演じる設楽拳一と、どんどん距離が近づいていきまして、近づけば近づくほどその渦に巻き込まれていくんです。それで何故か冤罪に巻き込まれ、その冤罪を設楽拳一、唐沢寿明さんがどうするのであろうか、という。
石丸:“どうするのであろうか”ですよね。
町田:“実は、もしかしたらそれも何かあるのか”とか、そういうところが見どころになるんじゃないかと。
石丸:いろんな面から“かもしれない”“やっぱりそうかもしれない”という風に観られる。“どれもが正解”みたいな。でも捕まったということは事実だから、誰がどうしたのかということを推理しながら話が進んでいくわけですね。
町田:ただ、「これは冤罪だ」と視聴者の皆さんも分かった上で物語が進んでいくんです。僕は大きな権力にどんどん追い詰められていくんですが、実際にそうなった時に“もし自分だったら”と考えると、僕は耐えられないなと。気がおかしくなってしまったり、“もう、いいや”と思っちゃう。
石丸:“もう、いいや”と思うところまで追い詰められちゃう?
町田:そういう可能性があるくらい追い込まれていくので、そこを、折れてしまうのか最後まで戦っていくのかというところもヒリヒリしながら(観てほしい)。この脚本は井上由美子さんのオリジナルストーリーなので、本当に予想がつかない。「そんな展開になるのか」という面白い展開が繰り広げられますし、僕がすごいなと思ったのは、出てくるキャラクターが全員欲望に溢れているんですよ(笑)。
石丸:人間臭いよね。
町田:はい。その欲望と欲望がぶつかり合うエネルギーや、唐沢寿明さんはじめ、西田敏行さん、江口のりこさん、鈴木保奈美さんほか、大ベテランの方たちの…。
石丸:すごいキャストですよね。豪華絢爛です。
町田:はい。なので、その方たちの、俗に言う「演技合戦」もすごく見どころですね。
石丸:楽しみです。是非、皆さん、WOWOWで観ましょう。
町田:是非!
石丸:そして、今晩(7/1(土))の午後6時から、唐沢さんとYouTubeで生配信イベントを開催されるそうですね。どんな内容になりそうですか。
町田:これは、Season2に向けて2人でいろいろと喋る、というイベントなんですけれど。
石丸:内容は明かさずに。
町田:そうですね。「どこまで喋るか」というのは唐沢さんのさじ加減だと思うんですけれども。
石丸:(笑)。
町田:唐沢さんも本当に素敵な人で、トークもすごく面白いので、もしかしたらそこでしか聞けないような話も沢山出てくると思います。あと、事前に応募した皆さんからの質問に2人で答えるというコーナーもありますので、すごく楽しみです。
石丸:これはYouTubeの生配信ですからね。今晩午後6時からです。皆さん、こぞって観ましょう!
町田:是非ご覧ください!