石丸:花總まりさん、今週もどうぞよろしくお願いいたします。このサロンでは、3週にわたって人生で大切にしている“もの”や“こと”についてお伺いしてまいりました。最終週は、“時を重ねながら長く大切にしていること”についてお伺いしたいと思います。花總さん、それは一体何でしょうか?
花總:「朝日に手を合わせること」です。
石丸:ということは、早起きということ?
花總:朝だったら、時間は関係ないです(笑)。そんなに遅くには起きないですけど、朝 自分が起きた時です。
石丸:日の出を拝むわけではないんですね。でも、なぜ朝日を? ご自身にとって何かあるんですか?
花總:普段、お稽古場や劇場にいると、なかなか(太陽を)見ないので、いつの頃からか、お日様の大切さ(を感じるようになった)というか…帰る時は、外が暗いことが多いじゃないですか。
石丸:(太陽を見るのは)移動している時くらいで、建物の中で仕事をしているからね。
花總:そうなんです。だから、朝一番に外を出て太陽の光を浴びると、すごく気持ちが良いんです。
石丸:ビタミンDが生成されますから、すごく良いんですよね。
花總:そして暖かいし、“今日も1日良い日でありますように”“今日もありがとうございます”という、そんな感じです。
石丸:素晴らしいですね。それをずっと続けているんですか。
花總:そうですね。いつの頃からか続けています。
石丸:僕はずっと劇場通いをしていたので、夕日が落ちるところを見たことがなかったんですよ。(劇団四季を)辞めた時に初めて見ることが出来て、泣きました。
花總:分かるような気がします。
石丸:「こんなに夕日って綺麗だったんだ」と。その時に初めて太陽に意識が向いたんですけれど。
花總:お日様って感動しますよね。皆さん、元旦に初日の出を見て涙を流すじゃないですか。それくらいお日様にはパワーがあるというか、“ありがたいな”と思います。
石丸:曇っている時はどうするんですか?
花總:絶対、聞かれるなと思っていました(笑)。曇っている時も、大体分かるじゃないですか。毎日、朝日に手を合わせていれば、その日が曇っていても「この時間は(太陽の位置は)この辺りだ」って(笑)。
石丸:(笑)。薄曇りの時は何となく見えますね。
花總:でも、手を合わせていると、(雲が)パァーっと分かれたりするんですよ。
石丸:観音様ですか。
花總:偶然だと思うんですけど(笑)。
石丸:太陽って気持ちが良いですよね。
花總:だから、地方公演へ行く時のホテルは、「東側か東南側」とリクエストしているんです。
石丸:「お日様が見えるところにしてください」と。それは大事ですね。
花總:良いですよ。やっぱり、朝起きて、陽が入ってこないと。
石丸:お日様の力は本当に大事ですよね。
花總:大事です。お日様がいなかったら私たちは生きていけませんから。
石丸:話は変わりますが、花總さんは、6月から始まるミュージカル『サニー』に出演されます。これは、韓国で大ヒットして日本でもリメイクされた映画『サニー 永遠の仲間たち』を世界で初めて舞台化したミュージカルになります。これはどういうお話ですか?
花總:舞台は、バブル経済絶頂期の1980年代と、現代の日本なんです。仲良し女子高生グループが自分たちで(グループ名を)「サニー」と名付けているんですが、その「サニー」の淡い青春時代と、時を経てそれぞれ主婦になっていたりする現代が交差する物語です。今回、80年代のJ-POPヒットナンバーがふんだんに盛り込まれたミュージカルになります。
石丸:80年代って、花ちゃんは何をしていました?
花總:私は学生でした。
石丸:何を聴いていました?
花總:(松田)聖子ちゃんとか、(中森)明菜ちゃんとか。
石丸:その時代だよね。(松本)伊代ちゃんとかね。
花總:(松本)伊代ちゃんの歌も、今回、出てきます。
石丸:どんな曲が出てくるのか、少し教えてもらえますか。
花總:(松田)聖子ちゃんの「SWEET MEMORIES」とか、あみんさんの「待つわ」とか。
石丸:懐かしい!
花總:そういう曲がいっぱい。
石丸:僕らがよく「ザ・ベストテン」(TBS系)で聴いていたような。
花總:そうです! その時代ですね。(松本)伊代ちゃんの「センチメンタル・ジャーニー」とか。私たちの年代にはたまらない曲がいっぱい出てきます。
石丸:その頃は、そういう曲は歌っていました?
花總:歌っていました。でも、私はサビしか分からないので、サビばっかりでした。
石丸:花ちゃんのことだから、カラオケボックスに行って歌うことはないですよね。
花總:ないです。
石丸:行ったことはありますか?
花總:あります。
石丸:本当ですか? レパートリーは?
花總:サビしか歌ってこなかったから、1曲(全部を)歌えないんですよ。
石丸:なるほど。きっと(ミュージカルを)観に来られる方も同じようなことがあるかもしれませんが、「これは知ってる!」というナンバーがどんどん流れてくるんですね。
花總:その曲が、物語の中に、まるでミュージカルのように織り込まれていくので。
石丸:歌詞の内容まで?
花總:そうです。歌詞の内容とお芝居がマッチしているので。
石丸:面白そうですね。
花總:作り方としては、割と“斬新”というか。
石丸:“ジュークボックスミュージカル”みたいなことになるのかな。
花總:今までにない感じです。
石丸:みんなで一緒に歌ったりとか。
花總:はい。1人で歌ったり、デュエットもあるし。「待つわ」はデュエットなので、(舞台でも)デュエットだったりして、すごく(歌が)上手く織り込まれていますね。
石丸:東京のどこで上演ですか?
花總:池袋の「東京建物 Brillia HALL」です。
石丸:その後、東京を離れて。
花總:大阪の「梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ」でやります。
石丸:80年代を知らない人もいるかもしれませんが、僕らの80年代はこういう曲が流行っていました。ぜひそれを聴きに来て欲しいですし、「懐かしい」という人は劇場で(曲を)浴びて欲しいですね。
花總:青春時代は若い子がやるんですよ。
石丸:そうか! 花ちゃんが若い子になるんじゃないんだね。
花總:違います(笑)。
石丸:若い頃は若い子がやって、大人になったら大人がやって。
花總:バブリーダンスでダンスチームの振付をしたakaneさんという方が振付をしてくださったんです。
石丸:じゃあ、ガンガン踊る?
花總:私たちではなくて、若い子達が踊ると思います。その方の振付が激し過ぎて、バンドさんが入れられなくて録音になるらしいんですが…それくらい激しいみたいです。だから、すごくエネルギッシュな舞台になると思います。
石丸:じゃあ、見どころ満載ですね。これはぜひ劇場でご堪能ください。
花總:ぜひ。
石丸:舞台のお話も伺ったり、4週間楽しくお話し出来ました。まだ語りつくせないことも沢山ありますけれど、またぜひこの番組で続きを話しましょう。
花總:ぜひ、よろしくお願いします。
石丸:本当に1か月どうもありがとうございました。
花總:ありがとうございました。