石丸:古川雄大さん、今週もどうぞよろしくお願いします。
古川:よろしくお願いします。
石丸:このサロンでは、3週にわたって人生で大切にしている“もの”や“こと”についてお伺いしてきました。最終週は“時を重ねながら長く大切にしていること”についてお聞きしたいと思います。雄大、それは何でしょうか?
古川:はい。「家族との時間」です。
石丸:家族というのは、長野に住んでいらっしゃる?
古川:長野に住んでいます。
石丸:僕も長野が好きでよく行くんですけど、自然がいっぱいだよね。
古川:そうですね。そこが長野の良さだと思います。
石丸:どういう町なのか、あらためて教えてください。
古川:仰ってくださったように、自然が豊かでお水も本当に美味しいんです。だから名物の美味しいお水で作る蕎麦は最高で、果物も美味しく育つ環境なので、りんごとぶどうも名産としてあります。あと、“人が柔らかい”です。
石丸:そうなんだ。
古川:良い人が多くて、長寿の県だと思います。おじいちゃんおばあちゃんがいっぱい居て、だからこそ(人が)柔らかいのかなと。
石丸:ということは、人との距離感が近いのかな?
古川:近いと思います。僕は(出身地が)高山村という村なんですが、(誰かと)すれ違えば挨拶するような、みんな顔馴染みみたいな感じです。
石丸:そんな素敵な場所で育った雄大ですけれども、地元には帰れていますか?
古川:年に1、2回くらい帰ります。今までは、帰った時に高校の同級生と過ごしていたんです。高校時代が特に大好きな時間で色濃く(心に)残っているので、今でも会う友達が多いんです。
でも最近、“家族との時間”というものをすごく大切にするようになりました。なので、地元に帰っても友達と会わないこともあります。そんなに何日も帰れるわけではないので、家族と過ごすと(帰省が)終わってしまう感じになります。
石丸:ご家族とはどんなことを? キャンプに行ったりとかじゃないよね?
古川:キャンプは行けたら行きたいですけど、親も良い年なので。近所の、仲が良い3家族を集めて食事会をしたりとか。
石丸:良いですね。
古川:あとは、僕はあまりやったことが無かったんですが、父親がゴルフ好きなので、(自分も)“やってみようかな”と思って…。
石丸:始めた!
古川:“ゆくゆくは父親とコースを回りたいな”という思いで始めました。
石丸:それは親孝行だよ。
古川:寡黙な父親で、あまり喜びとかの感情を表に出さないんですけれども、一緒にゴルフをした時にはわりと喜んでくれたので。
石丸:野球を手ほどきしてくれたお父さんだよね?
古川:そうです。
石丸:帰る楽しみになるね。
古川:そうですね。そういう時間が大切だなと思うようになって、家族と過ごしていると自分も幸せだなと思うようになってきました。
石丸:やっぱり家族と一緒に居ると、すごく満たされた時間になるのかな。
古川:今まではそんなふうに感じていなくて、“友達と過ごした方が楽しい” と思っていたんですけど、最近、家族と過ごしていると満たされるようになってきました。
石丸:大人なったんですかね?
古川:大人になったんだと思います(笑)。
石丸:そんな古川雄大さんですけれども、来月27日からMBSドラマ特区の枠で始まる『恋と弾丸』にもご出演されます。ヤクザの若頭と普通の女子大生のキケンな恋を描く物語。「極道男子」の一大ブームを巻き起こした人気コミックの実写版。この若頭役を雄大さん、女子大生役を馬場ふみかさんのW主演ということなんですが、原作は読みました?
古川:ドラマをやるにあたって、読ませていただきました。
石丸:どんな印象を持った?
古川:もう、痺れます。ヤクザと女子大生の恋愛を描いていく話の中で、いきなり結ばれるんです。恋愛漫画の多くは、そこまでの過程を描くじゃないですか。
石丸:多いよね。
古川:どうやって知り合って、想いを寄せ合って…みたいなことがあまり無く、出会ってすぐに付き合っちゃうようなところまでいくんですけど、そこから“愛を交わす”というか、過激な描写が多いんです。
ただ、愛を交わしながらその時に抱えている葛藤みたいなものが2人の間にあって、そこでの変化とかを人間ドラマとして色濃く描いてあって。
すごく過激な愛のあるシーンを描きながら、痺れる言葉が多いんです。
石丸:そうなんだ。
古川:「桜夜才臣(おうや としおみ)」というヤクザを演じさせていただいたんですけど、発言のひとつひとつが格言みたいな人で。
原作コミックを読んでいくと、“カッコよすぎて笑っちゃう”みたいな描き方があるんですよ。ちょっと「クスっ」とする瞬間があるような面白い漫画なので、これをドラマ化する時に“僕はどの程度のエネルギーで演じたら良いのか”というところはすごく悩みました。監督に「細かな部分でも言ってください」と言って、いろいろご指導いただいて。
だから、僕1人というよりも、3人の監督さんと一緒に作っていった…という感じです。
石丸:そうやってキャラクターを作っていった感じなんだね。僕から見ると、元々の雄大はすごくクールな人に見えるんだけど、その「クールさ」といのはうまく活かされているの?
古川:「クールさ」はうまく活かされている気がします。基本ベースはクールなんですけど、ちょっと“愛が大きい人”というか、真っ直ぐ過ぎるが故にそれが嫉妬に走ったりいろんな方向に行ってしまう人で、なおかつ感覚がちょっと俺様系なんです。だから、痺れる言葉がバッと羅列されている感じで。
石丸:皆さん、それが雄大の口から聞けるんですよ。これは実際に観てみないとね。
古川:すごく人気のある原作なので、原作のファンの方にも喜んでもらえると思いますし、知らない方も一気に引き込まれるドラマだと思うので、ぜひ観ていただけたらと思います。
石丸:出会いからドラマチックにストーリーが展開していきそうな感じなんですけど、ビジュアルの写真を拝見すると、ヤクザの若頭ということで背中に刺青が施されています。これは「ものすごく描いてもらう時間を要した」と、製作秘話として聞いていますが、どの位?
古川:7時間かかりました。
石丸:7時間!
古川:4人がかりでやっていただいて、7時間かかりました。
石丸:(刺青を)書かれている時って、くすぐったくないの?
古川:くすぐったい時と、“冷たい!”っていう瞬間もあったりするんです。霧吹きみたいなもので色を入れるので、その液体が冷たいんです。だから背中がいろんな状況になって大変でした。あと、動けないというのが一番…。
石丸:だって7時間って結構な時間だよ。もちろん途中、休憩は挟んでいるでしょうけど。
古川:休憩はちょくちょく入れましたけど、大変でした。
石丸:このチラシを見ますと、漫画の中に書かれている模様にほぼ近いようなものが施されていて…絵が綺麗で、ちょっとこれは間近で見てみたいですね。
古川:間近で見られます。原作に忠実にすごく細部までこだわって作ってくれたので、この刺青を見るためにチャンネルを合わせてくださっても良いかもしれないです。
石丸:主人公の名前が「桜夜(おうや)」で、このビジュアル写真の刺青にも桜が施されているんですね。
古川:そうなんです。
石丸:名前が体に入れてあるわけですよね。改めて、この作品の見所を教えてください。
古川:『恋と弾丸』は、いつ死ぬか分からない危険な状況で愛し合う2人の姿がとても美しく描かれております。恋愛に奥手な方々に何か強いメッセージを残せるドラマになると思いますので、ぜひ観てください。お願いします。
石丸:皆さん、是非ご覧になっていただきたいと思います。
ということで、雄大君、1か月にわたり、どうもありがとうございました。
古川:ありがとうございました。