石丸:このサロンでは、人生で大切にしている“もの”、“こと”についてお伺いしていますが、今週はどんなお話を聞かせていただけますか?
清水:今日は「車」についてです。
石丸:清水さんと車との関係はいつぐらいからですか?
清水:父親が生前すごい車好きだったみたいで、昔、北海道でまだ3台しか納車されてないと言われていた日産のケンメリのGT-Rに乗っていたんですよ。今だとネット上で4000万円近くすると言われてる車だと思って。
石丸:お父さんは、相当車に思い入れがあったようですね。
清水:そうみたいですね。父は建設業を営んでいたので、ブルドーザーやトレーラーが家にあったんですけど、僕自身も乗り物が好きだったので、たまに、ブルドーザーを運転する父親の膝の上に乗っけてもらってましたね。
あと、父親がアウディに乗っていた頃があって、アウディって四輪マークですよね。それを僕は幼心にオリンピックのマークだと思っていて、その頃からオリンピックを意識しだしていたんです。
石丸:それはいくつのときですか?
清水:小学校低学年くらいですね。
石丸:ご自身が初めて買った車はなんだったんですか?
清水:一番最初は借りた車だったんです。スピードスケートの大先輩、橋本聖子さんが、フルチューンした日産のフェアレディZを一年間貸してくれて。
石丸:乗り心地はいかがでした?
清水:最高でしたね!
石丸:レーサーになりたかったという話も伺ったんですけども、車に乗り始めてからですか? それとももっともっと前からですか?
清水:レーサーになりたいと思ったのは21歳、長野オリンピックの1年くらい前に本気でレーサーになろうと思ってましたね。
石丸:長野オリンピックの1年前ですか!
清水:オリンピックは人生のいいタイミングかなと思っていて、長野オリンピックが終わったらレーサーになろうと思っていました。
石丸:転身を考えていたんですね。運転の腕もあったということですよね。
清水:いや、腕はないんですけど、とにかく時間と戦うのが好きだったんですよね。
レースも一周をどれだけ早く回れるか、無駄なく回れるかじゃないですか。スピード感覚もそうですけど、時間と戦うのが楽しかったんですよね。
石丸:スピード感は違うかもしれないですけど、スケートのノウハウをそのまま生かせるわけですね。
ところで、スピードスケートの選手ってすごいスピードで走ってるじゃないですか。速さの体感や、痛さなどはどれくらいなんですか?
清水:痛くはないんですけど、相手の蹴った氷が細かく砕けて目に入ったりするので、僕らはサングラスして滑るんです。
あと、時速60キロ以上出ているので、裸眼で滑ると涙がぼろぼろ出ちゃって、前が見えなくなってしまうんですよ。
実際それを体感スピードに変えていくと、220キロくらいですね。サーキットとかを走って220キロ台を出したときと、スケートをやっているときの感覚は似ていますね。