⚫心躍る瞬間「朝ドラのオーディションに受かった時」
松下:今月お迎えしているゲストは、俳優の比嘉愛未さんです。
今週も比嘉さんの “心躍る瞬間”について、伺っていきます。3週目となる今回お話いただくのは、どんな瞬間でしょうか?
比嘉:私が“心躍る瞬間”は「朝ドラのオーディションに受かった時」です。
松下:それでは時計の針をその瞬間にしていきましょう。
これは心躍りますよね。
比嘉:躍りましたよね、私たち。
松下:一応、(2人とも、朝ドラの)ヒロイン経験者ということで。
比嘉:ヒロイン同士で。
松下:私、ヒロインの方に直接お話を聞くという機会がなかったんですよ。
比嘉:私もです。しかも同年代では。それで言うと、私の場合、18年も前の作品ですから。
松下:作品としては2007年(NHKの連続テレビ小説「どんど晴れ」)ですね。ということは二十歳で?
比嘉:そうです。沖縄で高校時代を過ごして、上京してきてすぐの1年後にオーディションがあったんです。二十歳になりたての時に受けた思い出があって、忘れられないです。
松下:オンエアが始まったのが21歳ということですが、どんなオーディションをしたんですか?
比嘉:楽しかったんです。自己紹介をするんですが、怖いもの知らずというか、何も知らなかったからこそ(沖縄訛りで)「沖縄から来ました。比嘉愛未です。よろしくお願いします」って…本当に訛っていたんですよ。
松下:可愛い(笑)。
比嘉:しかもヒロインの設定は横浜だから訛っちゃいけないんですけど、そういうことも関係なく、楽しかったんです。
松下:でも、オーディションを楽しめるって…。
比嘉:最強でしょう?
松下:無敵ですね。
比嘉:無敵だったんです。まず、沖縄から上京したことでこうやってお芝居のチャンスをいっぱいいただけて、それだけで楽しかったから。
その時のプロデューサーさんに「なぜ私を選んでくださったんですか」と聞いたら、「沖縄から来たその辺の子がフラッと入って来て楽しそうに話しているという感じが、逆に新鮮だった」といってくださって、それが忘れられなくて。スタッフさんと監督さんも「あの子、何なんだ?」って印象に残ったらしいんです。
松下:それはやっぱり何かがあったんですよ。
比嘉:一生分の運を使ったんじゃないかと思っているくらいです。
松下:そして撮影が始まって、体調とかは大丈夫でしたか?
比嘉:私の場合は(撮影が)初めてだったので、周りが“この子を助けよう”という感じで包んでくれたんです。その一体感があったから救われていたというか…。
その時の朝ドラチームで、スタッフさんも含めて、18年経っても毎年、桜の時期に集まってお花見をするんですよ。
松下:そうなんですね! (撮影期間が)長いからこその良さがありましたよね。
比嘉:本当に。家族を作っていくという感じがしませんか?
松下:朝ドラ自体がそういうストーリーじゃないですか。
比嘉:そうそう!
松下:まず1人で頑張って、そして出会いがあって結婚して子供が生まれて、そして子供も孫を生んで…みたいな。その広がりは、(作品の中で)1人の人間としての人生を生きているわけだから。
比嘉:すごく深いですよね。それを経験した人(松下さん)が身近にいるというのは心強いなと。
松下:確かに。
比嘉:だから、(ドラマ「スカイキャッスル」の)現場でも、(木村)文乃ちゃんに言われたじゃないですか。「朝ドラ経験者はみんな「やればいつか終わる」って言う」って(笑)。
松下:そう。始まったら終わるし、あの朝ドラを乗り切ると“これ以上に大変なことはこの先もうない”と思っているところがあって。
比嘉:まさしく一緒です。だからメンタルが鍛えられたのは大きいですよね。
松下:本当に。 “出会わせてくれてありがとう”という作品です。
18年前になりますが、朝ドラの現場で学んだことで、今も大事にしていることはありますか?
比嘉:“一期一会”と言いますけれども、それを身に染みて感じましたし、今もその方々に恩返ししたいという想いはあるんですが、その方たちだけじゃなく、応援してくださった視聴者の方もそうですし、私の場合は二十歳の新人の時からずっと応援してくださっている方もいると思うので、その方々にも恩返しがしたいと思っています。
だから、そういう方たちを裏切らないような人間になっていきたいと常に心に刻んでいます。
松下:素敵。その当時からのファンの方も「スカイキャッスル」を観てくださっているでしょうね。
比嘉:だと思います、きっと!
⚫クロニクル・プレイリスト「ダイジョウブ / 小田和正」
松下:この番組では、今日お話しした “心躍る瞬間”にまつわる思い出深い曲やその時代の印象深い1曲を“音楽の年代記”=「クロニクル・プレイリスト」としてお届けしています。今日はどんな曲でしょうか?
比嘉:小田和正さんの「ダイジョウブ」です。私がデビューさせていただいた朝ドラ「どんど晴れ」の主題歌です。小田和正さんが、その時の台本をお読みになってそのヒロインのイメージを基に作曲してくださったんですって。贅沢じゃないですか!
松下:幸せですね。
比嘉:私は勝手に自分の永遠のテーマソングだと思っていて、これを聴くといつも泣いちゃいますね。
松下:今でも聴かれていますか?
比嘉:とても大切な曲だからこそ、背中を押して欲しい時によく聴きます。
松下:ここぞという時に。
比嘉:あの時から18年、諦めずにここまで来れたのは、もちろんいろんな人の支えもありますけれども、(この曲の)歌詞や小田さんの柔らかな声が、全てを包んで「大丈夫だよ」「笑顔を忘れないで」と言ってくれているような気がして。だから(色々な壁を)越えてこられた気がするんです。…話しながら泣きそう。
松下:それだけ大切な1曲なんですね。
比嘉:本当に大事な曲です。
松下:「朝ドラ」というものは、出演する側にもいろんな気持ちを与えてくれますね。
比嘉:本当に…人生って、どのタイミングで、どんな人や物事、作品に出会うかでこんなにも変わるんだなと思わせてくれましたから。
松下:あの時のことは忘れずに、これからも頑張っていきましょうね。朝ドラヒロイン同士。
比嘉:頑張りましょう!
⚫最終回目前!ドラマ「スカイキャッスル」
松下:さて、ここからは、現在放送中のドラマ「スカイキャッスル(朝日テレビ系)」がいよいよ来週最終回ということで、改めてドラマについてお話していきたいと思います。
ストーリーをおさらいしますと、華麗なる勝ち組セレブ妻たちが暮らす高級住宅街「スカイキャッスル」を舞台に繰り広げられる“ドロ沼マウントバトル・サスペンス”。比嘉さんは二階堂杏子さんを演じられていまして、私は浅見紗英を演じております。
ここまでで、早いもので8話放送が終わっておりますが。
比嘉:早いですね。
松下:いや~。
比嘉:濃い!
松下:濃いですね(笑)。
“杏子”の中で、印象に残っている台詞とかはありますか?
比嘉:(杏子の)夫が大事にしているヒエラルキーの象徴的なピラミッド(のオブジェ)を、「地球は丸いのに何がピラミッドよ!」と言ってバンッとたたき割ったんです。それが気持ち良かった!
松下:日常生活では使わないような台詞ですけど、なぜかあのセットに入ってあの雰囲気の中にいると言えてしまうという。
比嘉:言えちゃうし、成立しちゃうんですよね。
松下:台本を読んだ時に、“これを(杏子は)どう言うのかな?”と。
比嘉:思い切り言わせていただきました。何の遠慮もなく。
松下:そう。遠慮したら言えないんですよ。
比嘉:言えない。
松下:このドラマ「スカイキャッスル」の台詞ひとつひとつが。
最初は“バチバチドロドロ”が各家庭にありましたけれども、最後はもしかしたら団結というか、(これまでのような)“人を押しのけて”ということが、段々…。
比嘉:“やっぱり違う”って。
松下:同じ土俵に立ってそこで団結していくということも必要なのかな、という風にも見えてきて…バラバラだった4人が少しずつ近づいてきていることがすごく新鮮なんですけれども。
比嘉:そう。一体感が生まれてきていますよね。
松下:「敵」と言ったらおかしいんですけれども、小雪さん(演じる九条彩香)を退治しに行く、みたいな。
比嘉:鬼退治みたいな感じですよね(笑)。
松下:みんなで一致団結して、“本当はみんな好きなんじゃん”って、それがどこかに救いがあるような感じがするんです。このままバチバチドロドロやっていても何も生まれないし、それをそれぞれが気付いていく中での最終話なのかなと。
比嘉:みんなの成長ですよね。
松下:そういう部分も観ていただけると嬉しいなと。
比嘉:思いますね。
松下:木曜ドラマ「スカイキャッスル」最終回はテレビ朝日系で、来週26日木曜よる9時から放送です。
また、最新第8話はTVerで無料配信中です。
最後の最後まで、是非お見逃しなく!
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ドラマ「スカイキャッスル」
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比嘉愛未さん公式サイト
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比嘉愛未さんInstagram
<松下さん衣装>
ワンピース:サージュブティック / SAAAGE boutique 03-6271-4866
イヤリング:スタージュエリー / STAR JEWELRY 03-5537-8088
スタイリスト:大沼こずえ
ヘアメイク:尾口佳奈
- ゲストが語る“心躍る瞬間”や“エピソード”
その時に刻まれた思い出の1曲。
または、その時代の印象的な楽曲。