⚫心躍る瞬間「着物を着る時」
松下:今月は、俳優の牧瀬里穂さんをお迎えして“心躍る瞬間”についてお伺いしています。第2週目の今日、お話いただくのはどんな瞬間でしょうか?
牧瀬:私が“心躍る瞬間”は「着物を着る時」です。
松下:それでは時計の針をその瞬間にしていきましょう。
お洋服とお着物を着る割合はどのくらいですか?
牧瀬:もちろん着物の方が断然少ないんですけれども、月に1~2度は着ます。
松下:素敵です。お着物歴というのはどれくらいになるんですか?
牧瀬:着物歴は…買い始めたのは20代前半で、自分で着始めたのは30代後半になるので、15年位になるでしょうか。
松下:じゃあ、着付けも今はご自分で?
牧瀬:はい。習いに行って、(それからは)自分で着ています。
松下:すごいですね。きっかけは何だったんですか?
牧瀬:小さい頃にバレエと日舞を習っていて、母親が「どちらかにしましょうね」という感じで…。
松下:すごい幼少時代をお過ごしになられていたんですね。だって、ピアノも。
牧瀬:そうですね(笑)。いろんなことをさせて、私が(どれを続けるか)決めるという。「じゃあ、バレエにしようかな」という感じで、ずっとバレエを習っていました。
東京に出てきてこのお仕事をさせていただくようになると、勉強のためにいろんな舞台を観るようになって、歌舞伎を初めて観た時に、“うわぁ、楽しい”と思ったんですね。(歌舞伎はもっと)暗くて難解なものだと思っていたら、楽しい演目で、そして着物も鮮やかで、こんなに華やかなものなんだ、と。そこから“着物って可愛いな”と思い始めて。
松下:ガラッと印象が変わったことがきっかけなんですね。観た演目がそうさせてくれたんですね。
牧瀬:(演目が)良かったんですね。
松下:じゃあ、お着物はその時から?
牧瀬:自分なりに勉強して、(あらためて)日舞を習い始めたら、(その教室に)林真理子先生がいらっしゃって、林先生の行きつけの呉服屋さんに連れていってもらったりして、お着物が少しずつ増えていったという感じです。
松下:文化も着こなし方も洋服と着物って全く違うじゃないですか。(着物の世界へ)どこからどう入っていけば良いのかなって。やっぱりお着物って敷居が高いんですよね。
どういう風にスタートすれば良いですか? 何を合わせるかというのもご自身で考えられるんですか?
牧瀬:呉服屋さんからお申し出していただくことも大事だと思うし、自分で着物雑誌を読んで勉強することもとても大事だと思っています。でも、言葉はアレですけども、私の中での基本は、「コスプレ」だと思っています(笑)。
松下:なるほど(笑)。
牧瀬:だから“楽しもう”というのが大事だと思います。
松下:好きなものを好きなように着て。
牧瀬:そうですね。
松下:ちなみに、今はどういうものがお好みですか? 色とか。この時期だと?
牧瀬:そうですね、この時期だと爽やかな色。着物って、どんなに夏物になっても重ねて着るので暑いんですけれども、自分は暑いのを我慢して、見ていただく方には爽やかさを届けるように、という心がけをしています。
松下:海外でもお召しになったことはあるんですか?
牧瀬:お友達のウエディングパーティーとかで。
松下:写真をたくさん撮られるんじゃないですか?
牧瀬:(海外の方は)間近で(着物を)見たことがないので、「このクッションは何?」って、帯のお太鼓のところを見て、すごく興味を持ってくださいます。
松下:お気に入りのお着物を着てどこかへお出かけすることもありますか?
牧瀬:“特別な日”とはあまり考えないようにして、お友達とランチに行く時とか、観劇に行く時とかに着ています。
松下:理想です。それが一番素敵。“着物だからこうしよう”じゃなくて、日常に着物を取り入れられるって、一番贅沢な楽しみ方だと思います。
⚫クロニクル・プレイリスト「It's Tricky / RUN DMC」
松下:この番組では、ゲストの方の“心躍る瞬間”にまつわる思い出深い曲やその時代の印象深い1曲を“音楽の年代記”=「クロニクル・プレイリスト」としてお届けしています。牧瀬さん、今日はどんな曲でしょうか。
牧瀬:着物を着つける時間帯って、結構、早朝が多いんですね。そういう時に聴くと目が覚めるというか、そしてノリも良くなるというか(笑)。
松下:なるほど。
牧瀬:そういう曲を。
松下:ビックリしました。このチョイス。
牧瀬:そうですか?(笑)
松下:RUN DMCで「It's Tricky」。
着物に合わせてこの曲というのもそうなんですけれども、牧瀬里穂さんがこの曲をチョイスされたということにも、私はかなり驚きました。こういう曲もお聴きになるんですね。
牧瀬:そうですね。歌詞とかはよく分からないけれど、雰囲気で“良いね”という。
松下:“今日の着物も良い感じに着付けられたわ”とお出かけされるわけですね。
牧瀬:“楽しくいこう”みたいな感じで。
松下:他にもそういうヒップホップ系の曲をお聴きになりますか?
牧瀬:家にいる時はいろんな曲を流しているので、ヒップホップも。
松下:クラシックからヒップホップから、いろんなジャンルの音楽で。
牧瀬:藤井フミヤさんの40周年のライブがあったので、今は(家では)フミヤさんがガンガンに流れています。
松下:オールジャンルOKということですね。
牧瀬:そうなんです。
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牧瀬里穂さんInstagram
<牧瀬さん衣装>
イヤリング:ファンエンパイヤ/Fun Empire 03-6418-7933
<松下さん衣装>
ブラウス:アントマリーズ/AUNT MARIE'S 03-6431-9431
スカート:エスバイシビラ/S SYBILLA 03-6870-2304
イヤリング:テイクアップ/TAKE-UP 03-3462-4771
スタイリスト:大沼こずえ
ヘアメイク:土橋大輔
- ゲストが語る“心躍る瞬間”や“エピソード”
その時に刻まれた思い出の1曲。
または、その時代の印象的な楽曲。