⚫心躍る瞬間「カフェで過ごす時間」
松下:今月は俳優の田中麗奈さんをお迎えして“心躍る瞬間”についてお伺いしています。先週は映画館で過ごす瞬間や麗奈さんの映画への想いをたっぷりとお伺いしました。今週はどんな瞬間でしょうか?
田中:私が“心躍る瞬間”は「カフェで過ごす時間」です。
松下:素敵なひとり時間ですね。それでは時計の針をその瞬間に戻していきましょう。
お子さんがまだ小さいということもありますが、カフェでひとりでゆっくりという時間はなかなか取れないのかなと思います。カフェでは具体的にどのようなことをされているんですか?
田中:10分でも20分でも、時間が少しでも空いたらカフェで台詞や翌日のスケジュールを確認したり、メールを返したり、ちょっと書きものや調べものなど…とにかく合間にやれることを処理しています(笑)。ちょっと早く(スタジオに)着いたので、今日も行きました。
松下:そうなんですね。“カフェ”という空間がお好きなんですか?
田中:次の何かに移る時に、ホッとひと息したいんですよね。何かをしながらでも、空間を変えて…。
松下:(心を)整えて、という感じ?
田中:そう! 整えて、という感じ。だから、(カフェに行くのは)電車に乗る前、降りた後の場合もあります。
松下:何か違う行動をする前に整える時間として、カフェにフラッと立ち寄るという感じ。
田中:はい。
松下:カフェで台本を覚えたり?
田中:台本は、確認だったり、覚えることもあります。あとは、素敵な音楽が流れていると、それだけで脳もリラックスしますし。
松下:人がたくさんいたりすると(台本が)覚えられないということはないんですか?
田中:もう“どこででも”という感じになってしまいましたね。
松下:羨ましい。
田中:ササッと。もちろん、夜にしっかり時間を作って、ということもありますけど、目で確認するだけでも良いですし、少し書き込みたいところがあれば書き込めますし。
松下:先週までのお話を聞いて、ご家族との時間をすごく大切にされているなと思いましたが、ひとりの時間もとても大切にされているんですね。
田中:5分とか10分でも良いので、(ひとりの時間は)絶対に必要ですね。だから、移動時間も好きなんです。
松下:旅先とかでもカフェは行かれたりしますか?
田中:メインで行くことはないですね。
松下:(先週の)映画館ほどではない?
田中:そうですね。“合間”なんですよね。(1人でいる時間を)見つけてそこにカフェがあると、私にとっての“ありがとう”な場所になるというか。でも、考え事をする時にも入っちゃうかもしれない。役について考えたり…家でやったら良いんですけれど、家ではちょっと出来ない時もありますから。
松下:わかります。
⚫クロニクル・プレイリスト「Waltz For Debby / Bill Evans Trio」
松下:この番組では、今日お話しした“心躍る瞬間”にまつわる思い出深い曲やその時代の印象深い1曲を“音楽の年代記”=「クロニクル・プレイリスト」としてお届けしています。麗奈さん、今週はどんな曲でしょうか?
田中:ビル・エヴァンス「Waltz For Debby」です。
松下:ありがとうございます。大好きな1曲です。
田中:本当に!?
松下:ビル・エヴァンスのたまらなく愛おしい曲なんですけれども、なぜこの曲を選んでくださったのでしょうか?
田中:この曲を一番聴いていると思います。もうずっと、20年以上ですか…。本当に、朝でも夜でも、何時でも合いますよね。
松下:そうなんですよね。1曲の中で景色がどんどん移り変わっていくんですよね。
田中:そう。雨だったり、朝の光、夕焼け。いろんな景色が。
松下:人の感情が全部詰まっている曲だなと思って、大好きなんです。麗奈さんが全部、私の好きな曲を挙げてくださるので嬉しいです。
田中:わかっていただけて嬉しいです!
●人生は「冒険」
松下:今後やってみたいこと、やっていきたいことをお伺いしてもよろしいでしょうか?
田中:やっぱりまず、“健康で人を大切に”といいますか、出会いを大切にしながら1日1日を慈しむように積み重ねていければと。「挑戦」とか「目標」とか「目指す」というと“ちょっと大変だな”というイメージがあるんですけれども、人生をもっと「冒険」みたいな感じで考えたいなと。例えば、平坦な道だとしても、足元を見たら素敵なお花が咲いていたり、誰かの笑い声が聞こえたり…そういうことがあると思うので。
“登っていく”というイメージよりは、気持ち良く歩いていけたら良いなと思います。
松下:麗奈さんはずっと変わらなくてチャーミングなので、これからも素敵に年齢を重ねていかれると思いますが、俳優として、お母さんとして、女性として、そして人間として、それぞれ意識していること、大事にされていることはありますか?
田中:単純なことですけど、「好きなことをする」「楽しむ」ということがすごく大切だと思うんです。好きなこと、楽しいということに気付くとエネルギーが湧いてきますし、外から見て「ストイックだ」と言われたとしても、自分にとっては楽しい努力なんです。
だから全然疲れないし、エネルギーも湧いてきます。プライベートもですが、こういうお仕事って、「人」ですよね。人とのコミュニケーションで感じるものから、自分が学んだり、成長するチャンスをもらえたりしていると思います。
人に興味を持ってコミュニケーションを取れるような人生を送れたら良いなと思いますね。
松下:素敵ですね。そして、新しいチャレンジも始まっておられます。NHKの夜ドラ『VRおじさんの初恋』にご出演中です。このドラマの役で、麗奈さんにとって新しい冒険はありましたか?
田中:『VRおじさんの初恋』という題名から大冒険ですよね。お話をいただいた時に、この題名から“どんなお話になるんだろう?”といろいろ想像してしまったんですけれど。
私の役は、シングルマザーで、IT会社の社長で、バリバリ働きながら育児をしていて、すごく人間らしいところに魅力を感じています。VRおじさんとどう関わっていくかというところも、このドラマの面白いところです。
松下:面白いですよね。「VR」がタイトルに入っちゃうんですものね。
田中:今の時代ならではの、不思議で可愛いお話だと思います。
松下:ぜひ皆さんご覧になってください。
1か月にわたって麗奈さんとお話をしてきました。また遊びに来てください。音楽の話も違った切り口でしたいなと思います。
田中:ぜひ!
<松下さん衣装>
スカート:S.ESSENTIALS / エス エッセンシャルズ 0120-340-460
イヤリング:sowi / ソーイ 03-6416-5700
スタイリスト:大沼こずえ
ヘアメイク:山科美佳
- ゲストが語る“心躍る瞬間”や“エピソード”
その時に刻まれた思い出の1曲。
または、その時代の印象的な楽曲。
- 『Waltz For Debby』 Bill Evans Trio