放送後記 オンエアレポート 放送後記 オンエアレポート
2020.1.30

すべきではなく、どうありたいか。Women's Startup Lab CEO堀江愛利の“未来の起業家”へのエール

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。1月25日(土)の放送は、前回に引き続き、Women's Startup Lab CEOの堀江愛利さんが登場しました。


(左から)堀江愛利さん、ハヤカワ五味


◆「一人ひとりの個性が重要」
2013年に米・シリコンバレーでWomen's Startup Labを創業し、女性起業家の育成プログラムをスタートさせた堀江さん。ハヤカワが、「実際、なにをすれば起業家精神が育っていくのでしょうか?」と問うと、「自分が“こうあるべき”と信じていることや、“当たり前”と思っていることをまず壊していくことが、最初に必要」と答えます。

なぜなら、パソコンのアップデートと同じように「現在の(自分の)思考回路が“古い”ということを認めないと、新しいものは入ってこない。現在持っている“こうあるべき”という考えを書き出し、それによって、いかにスローダウンしているかを理解して取り除かないと、新しいことを考えようと思っても全然できないから」。

さらに、これからの時代は、「一人ひとりの個性がすごく重要になってくる」と続けます。だからこそ、「10人に同じようなことをさせるのではなく、各々が持っている個性や感性を出していってこそ、イノベーティブなアイデアが生まれる。Human doing(なにをするべきか/行動)ばかりを散々教えられてきたけど、一人ひとりがHuman being(どうありたいか/心の在り方)をより前に出して、リーダーとして決断していく。それを自分のプロフェッショナルのコア(中核)として、イノベーションをつくり上げていく」ことが起業家やビジネスリーダーに必要だと語ります。

◆起業家精神で重要なのは……
堀江さんの育成プログラムを受講した人からは「プロダクティビティ(生産性)が倍になりながらも頑張る量が減った」「楽になった」「決断が早く、自信を持ってできるようになった」といった声が届いているそう。

さらに、「今までは周りの目を気にしてばかりで、“○○であるべき”と動いていた人が、自分の持っている“感性”と“やりたいこと”をベースに決断をし始めると、人を説得する力もすごく出てくるんです。今まで以上に、言ったことがスムーズに動くようになったり、周りがついてくるようになったり、成果が大きくなったと皆さん仰ってくれています」と胸を張ります。

また、「今の会社では、できないことや動かないことが多いので、起業家になる」といった声をよく耳にするそう。そんなとき堀江さんは必ず「起業家はやめたほうがいい」と止めるのだとか。

その意図について、「それでもやりたいと思ってこそ、本当の起業家。(多くの人が)“起業したら自由になれるんじゃないか”と思うけれど、実際はそうじゃない。まず起業家精神というのは『駄目』と言われるなかでも、突き進むことが一番重要」と断言します。

◆日本人であることの強みとは?
堀江さんは、今後について「会社としては、チャンスを掴める場をどんどんつくってあげたい。あとは精神面ですね。“自分だからできるんじゃないか”とか、“こんな自分でもチャレンジしたい”と思わせるような社会とか、周りのサポートがもっとあっても良いのではないか」と語ります。

アメリカで長く生活している堀江さんに、ハヤカワは“日本人であることの強み”を問います。すると「私が感じているのは、日本人は世界から信頼されていますよね。それをベースにどんどんビジネスを積み上げられるだけの才能と知性もある。あとは行動力。恐れずにどんどん行動して結果を出していけばいい。もっと自信を持って暴れていいと思う」と期待を込めます。

近年、中国やインドの企業が急成長を見せているだけに「自分のなか(から湧き出る)『これがしたい!』から行動し、(それを実行したことで)より個性がつき、(経験するからこそ)技術がついていく、ということをどんどん極めていかないと。日本人は気持ち的に“戦う”ところが弱いので、もっと自分を主張していかないと」と話していました。

次回2月1日(土)の放送は、アーティストで、東京藝術大学美術学部デザイン科准教授でもあるSputniko!(スプツニ子!)さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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「マスメディアン 妄想の泉~公開妄想イベント第三弾~」(19:00開場/19:30開演)
3月5日(月)に番組3回目となる「公開録音」を実施いたします。会場は、東京・半蔵門にある「TOKYO FMホール」で、参加は無料です。
ゲストは、「ほぼ日刊イトイ新聞」を主宰する株式会社ほぼ日代表取締役社長の糸井重里さんです。参加方法など、詳しくは番組Webサイトをご確認ください!


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<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm
2020.1.23

シリコンバレーで女性起業家を育成・支援する堀江愛利 起業に至った原点は「現場で感じたジレンマ」

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。1月18日(土)の放送は、Women's Startup Lab CEOの堀江愛利さんが登場しました。

堀江愛利さん、ハヤカワ五味



◆“女性起業家”のために一念発起
堀江さんは、2013年に米・シリコンバレーでWomen's Startup Labを創業。女性が出すアイデアに興味を持ってもらえない状況に小さな疑問があったことが、起業のきっかけと話します。育児や介護などの課題を解決できるようなアイデアは、男性社会に全然刺ささっていなかったと振り返ります。

そんな現実を目の当たりにしたときに「なにかできるんじゃないかと。社会問題を解決できるようなビジネスアイデアが出ているのに、これ以上、女性起業家が諦める姿を見ているのがせつなかった。まずはみんなで集まってサポートしようという軽い気持ちから始めた」と言います。

現在は、世界中から募った女性起業家の育成をしている堀江さん。「シリコンバレーで重要なのはネットワーク。とてもオープンなんですけど、イージーではない」と語ります。“結果は出して当たり前”という状況下で、女性起業家が次のステップに進むためのサポートをしています。

◆キャリアを積むなか、芽生えた思い
堀江さんはカリフォルニア州立大を卒業後、IBMに就職したのをきっかけにシリコンバレーへ。同社で「いろいろなことを教えてもらったが、自分がなにかをつくるとか、経験を積むという意味では限られていて、スタートアップに行けばいろいろなことをさせてもらえるだろう」との思いから退職を決意。

その後、数社でマーケティングを手掛けていくなかで自分が起業を志したのは「これまで会社のために仕事を頑張ってきたけれど、結婚と出産をしたあと、どうせならもっと自由のきく仕事をしたほうが良いと思って自宅で事業を始めた」と振り返ります。

当時は、自身がマーケティングで築いたバックグラウンドを駆使し、小遣い稼ぎの感覚で、インターネット上でモノを販売していたそう。

そんな副業感覚で始めた事業で、意識に変化が芽生えたのは、「テック系で、アイデアから実際のプロダクトする仕事をずっとしていたにもかかわらず、母親になり子どもを学校に入れるなどしていくなかで、シリコンバレーにいながら『なんとアナログな世界なんだ』と感じたから」。

こうした状況にもかかわらず、女性たちが“こういうニーズがある”“こういうモノをつくりたい”と主張しても、第一線でビジネスをしている人たちからは却下されてしまう連続だったそう。そんな現実に感じたジレンマが、現在手掛けている事業の原点となったようです。

◆「とにかく毎日行動すること」
堀江さんが、女性起業家の育成プログラムをスタートさせたのは40歳のとき。「40歳でなにかを始めるときに、普通は皆さん『この年齢だから……』と思うかもしれないけど、年齢に関係なく“今やりたいこと、やれることってなんだろう”という問いかけのなかで『やってもいいよ!』というのがシリコンバレーの空気」と語気を強めます。

それで、始めてみたところ「(自分が)知らないところで他の人がどんどん新しいアイデアをくれたり、手を差し伸べてくれたりして膨らんでいって、仲間もでき……という雪だるま式で大きくなっていったので、驚いています」と実感を語ります。

堀江さんの話の数々に、ハヤカワは大きく頷きつつ「私自身、日本で起業していますけど、今後国外に出ていくんじゃないかという気持ちが漠然とあって。今後、日本の女性が国外に進出して事業をするとき、どんなことからスタートさせればいいでしょうか?」と熱心に質問をぶつけると、

「私のメンター(指導者)にあたる人がいつも言っていたのは『頭のなかで考えているだけではなにも起こらないから、とにかく毎日行動すること。行動するなかで人に伝えろ』と。人に伝えると、思いもよらぬところから新しいソリューションを教えてもらったり、『それなら僕できるよ』とか『できる人を知っているから紹介してあげる』といったことがあったりするので、『とにかく発信することを1日の30~40%に使いなさい』とよく言われました」と親身になって答えます。

そして、「私たちが起業家に対してよく言うのが、『自分のアイデアに惚れ込むな』と。そうではなく、“なにを解決したいのか、なんの問題を解決して社会に貢献したいのか”が原点。アイデアにばかりこだわってしまうと、マーケットが必要としていないソリューションに無駄な時間と思いをつぎ込むことになる。だから、“解決したい”という思いのある問題をしっかりと見つめて、どんどんピボット(方向転換)していくことが重要」とアドバイスを送りました。

イラスト:Eika



次回1月25日(土)の放送も、引き続き堀江さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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「マスメディアン 妄想の泉 公開収録 第三弾」
3月5日(月)19:00開場/19:30開演に番組3回目の「公開録音」を実施いたします。
会場は、東京・半蔵門にある「TOKYO FMホール」。参加は無料です。
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<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
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2020.1.16

「オンラインサロン」で広がる未来 キングコング・西野亮廣の次なる試作

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。1月11日(土)の放送は、前回に引き続き、お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんが登場しました。

(左から)西野亮廣さん、ハヤカワ五味


◆「作り手はそのまま消費者になる」
現在、およそ3万3,000人もの会員数を誇るオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」のオーナーという顔を持つ西野さん。「前回も話したように、作り手を増やしてしまえば、作り手はそのまま『消費者』になる。だからお客さんを増やそうとするよりも作り手を増やしたほうがいい」と強調します。

その言葉通り、現在は広告代理店業に携わることも。「広告のようなものって、場合によっては邪魔者扱いされるけど、自分が作ったCMにはすごく興味がある。そうすると、クライアントである企業は、オンラインサロンに頼むようになると思ったんです。CM制作のオファーがきて、会員の3万3,000人と“どんなCMにする?”“どのタレントを起用しようか?”と、全員が自分事としてアイデアを出し合うなかで、その間もCMになっている。だから企業から『この予算で、広告を作ってください』と依頼がある」と広がりを見せているそう。

また、今後については「会員数を増やしていくことよりも、“この3万3,000人で次に何をしていくか”。だから、サロンメンバーの事業に出資しまくっています(笑)。オンラインサロンは有料ですから、そこで集まったお金はサロンメンバーに還元したほうがいいと思っている」と展望を語ります。

◆世界に出るには“鎖国性”が必要
ハヤカワの「オンラインサロンってある意味“クロージングな場所”ですけど、閉じた世界の重要性を感じていますか?」との問いに、西野さんは「現代じゃ、岡本太郎さんの太陽の塔って作れないと思うんです。作っている途中に『税金をあんなことに使いやがって』と横やりが入って、たぶん企画が頓挫してしまう。そんな世の中では、横やりの入らない無難で丸いものしか残らなくなる」と言います。

だからこそ「面白いものやエッジの効いたもの、自信を持って世界に打って出るようなものって、“鎖国性”が必要になる」と声を大にします。

また、オンラインサロンのオーナーとしてコミュニティ運営をするにあたり、気をつけていることが2つあるとか。1つは、“古参に威張らせないこと”。「大体、文化やコミュニティって、古くからいる人が潰してしまうので、『威張るな』とは口を酸っぱく言っていますね」と話します。

そしてもう1つは、“退会される方が出たときに1番コストをかけること”。「(ルール違反などで退会となった場合)『はい、さよなら』ではなく、場合によっては直接会いに行ってお話させてもらうこともある。応援してくれていた、好きでいてくれていた人が、(急に)“パン”と切られたら、“恨み”に変わってしまって、大体がネガティブキャンペーンを始めてしまう。オンラインサロンは閉鎖的な場だからこそ、外でそれをされてしまうと『そうじゃない』と証明するものがない」と説明します。

◆「“声”で支持されたほうが寿命が長い」
西野さんは、YouTuberの未来について「当然YouTuberは増えて、限られたパイを大勢で取り合う未来がくる」とイメージしたそう。そして、「もし今、自分がYouTubeを始めるとしたら何をやるだろうって考えたんです。それで、“今のYouTuberが(視聴者を)取れていない時間帯ってどこだろう”と考えたときに、車の運転中やメイク中、シャワーを浴びているときとか、意外と動画って観られないシーンが多いなと。YouTuberは、目が奪われている時間帯は取れていないけど、音声は“ながら聴き”ができる」との気づきから“音声がむちゃくちゃ面白い”と感じたそう。

さらには、「テレビタレントよりもラジオパーソナリティの寿命のほうがかなり長いんです。その理由はとてもシンプルで、“声は年を取らないから”。だからビジュアルで支持されるよりも、声で支持されたほうが寿命は長い」とも話します。

現に、西野さんは昨年からボイスメディア「Voicy」で音声コンテンツを開始。それにより、新たな気づきがあったそうで「ランキングを見ると、上位に声の聴き心地が良い人たちが並んでいる。人が音声に求めているものって、情報量よりも声質なんだと思って。だから今、ラジオって無茶苦茶良いと思います」と実感を語ると、ハヤカワは「意外と情報ってそんなにいらないのかも。(音声を聴く)隙間時間にまで情報を詰め込む必要がないのかもしれない」と同意していました。

イラスト:Eika



次回1月18日(土)の放送は、Women's Startup Lab CEOの堀江愛利さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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番組名:マスメディアン 妄想の泉
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2020.1.9

きっかけはタモリの一言!? キングコング・西野亮廣が絵本を描いた理由

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。1月4日(土)の放送は、お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんが登場しました。


ハヤカワ五味、西野亮廣さん


◆テレビから遠ざかったわけ
現在、お笑い芸人としての活動だけにとどまらず、絵本作家、国内最大の会員数を誇るオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」のオーナーなど幅広い分野で活躍している西野さん。

20歳のときにバラエティ番組「はねるのトびら」(フジテレビ系)のレギュラーに抜擢され、のちにゴールデン進出を果たす大躍進ぶりでしたが、「そのときにはもうテレビ(の仕事)はやめようかなって。テレビから軸足を抜いて別のことをしようと思っていて、絵本のほうに進んだ」と告白します。

西野さんが絵本を描くようになったきっかけは、タモリさんから言われた「絵を描いてみたら? お前の性格ならきっと描けるようになるから」という何気ない一言だったそう。

◆積極的に仕事をやめる姿勢
さまざまな分野でマルチな活動をする根底には「最近“やめない”ってあまり良くないなと思っていて。基本的に、軌道に乗ったなと思ったらやめるようにしているんです」と話します。

なぜなら「1つの分野でめちゃくちゃ頑張って成長しているにも関わらず、“スケジュールが埋まっているから”という理由で、もう1つ上の仕事が入ってこないから」。自分が“成長した”と実感したら、思い切ってやめたほうが「仕事はスケールアップしていくと思っているので、積極的にやめるようにしている」と持論を展開します。

それは、オンラインサロン会員の入退会状況を見ていても感じることがあるそうで、「面白いのがうまくいっているときって、会員数はあまり増えないんですよ。うまくいっていようが、失敗していようが、挑戦しているときは会員数が増える。連載漫画に似ているかもしれないですね。主人公がずっと勝ち続けていたら誰も観ない。勝ったり、負けたり、成功したり、失敗したりというのがとても重要で、挑戦したほうが、応援する甲斐があるというかファンができる」と西野さん。

◆絵本は映画の“チラシ”
西野さんが手がけた絵本「えんとつ町のプペル」(にしのあきひろ名義/2016年)は、累計発行部数40万部の大ヒット。さらに今年は、舞台化された「『えんとつ町のプペル』THE STAGE」の上演、さらには「映画 えんとつ町のプペル」が12月公開予定と、絵本の枠を飛び越えています。

そもそも、西野さんが「えんとつ町のプペル」の物語を書き上げたのは2011年。そのとき、すでに頭のなかでは「先に映画化することを見越していた」と言います。とはいえ、まったく知られていない作品は誰も観たいと思わないし、自分なら観に行かないだろうと感じた西野さんは、「じゃあ、映画に足を運んでもらいたいと思ったときに、“まずは絵本だ”と思った」と振り返ります。

「映画の全10章あるうちの3章と4章だけを絵本にしているんです。なので、1章と2章と5章以降はまだ世に出ていないんです。もっと言うと、(絵本には)主人公もまだ出ていない」と笑います。さらに「要は映画のチラシとして絵本を出して、それで知ってもらって映画館に足を運んでもらおうという順番ですね。舞台は(映画の)8割くらいですね」とも。

経緯を聞いたハヤカワは、「それは、けっこう衝撃。映画が(物語の)全部ということは、(舞台や絵本)それぞれを楽しんでも、新たにまた楽しめるんですね」と西野さんのアイデアに舌を巻いていました。

◆エンタメは「BBQ型に移行している」
絵本「えんとつ町のプペル」の舞台化、映画化が現実となっていくなか、「『えんとつ町のプペル』に限らず、サービス業やエンターテインメントも、プロがつくって『さぁ、召し上がれ!』っていうレストラン型のようなところから、お客さんが食べたいものを自分がつくりたいというBBQ型に移行している」と実感を語ります。

それゆえ、映画も同様に「自分たちがつくった映画を観たいだろうなと思ったんです。そうなると、(作品に)関わる人数を増やしたほうがいいなと。今年は、自分が全都道府県をめぐって、映画館で1時間半くらいかけて『映画 えんとつ町のプペル』のストーリーを全部しゃべって、そのあと来場者たちみんなと飲みに行くという(笑)。それで“こうやって(作品を)広めていこう”という話をしたら、たぶん公開初日に映画館に足を運んでくれると思うんですよ」と斬新な企画内容を明かします。

新たな発想はそれだけには留まらず、「今、『えんとつ町のプペル』を著作権フリーにしているんですよ。だから国内の個展などは、お客さんがやってお客さんを呼んでいるという。お客さんが商品を開発していますし」と西野さん。

この試みによって、「えんとつ町のプペル」を活用した電車や保育園があることを、SNSを介して知ることも。「みんなが発信できる時代になったから、こういう現象が起こっているので、面白いなと。70億人に届けようとするよりも、著作権フリーにして70億人でつくったほうが70億人に届くなと思ったし、そっちでいい」と思いを語ります。

これを受け、ハヤカワは「最終的に伝わっていますもんね。それこそ、K-POPのアイドルとかでもファンが自主的に広告を出しているケースがあって、(ファンの)推しを広めたいという思いを、ある意味、一緒に巻き込んでやっていくみたいなことなのかも。推しやすくするのはいいですね。好きなアニメとか関わりたいと思うし、それがオフィシャルに絡めるのはすごくいいと思う」と話していました。

次回1月11日(土)の放送も、引き続き西野さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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