JOC企画 スポーツラジオ番組 MY OLYMPIC STORY

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オリンピックには言葉にして伝えたい物語がある・・・
あのとき、あの瞬間、アスリートたちが感じた運命の一瞬を池松壮亮の朗読でご紹介していきます。Personality 池松壮亮

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OnAir Report - オンエアレポート

鈴木桂治の、運命の一瞬

2019.12.28

【2019/12/28 O.A】
マイ オリンピック ストーリー。
アスリートたちが感じた運命の一瞬。

今週は、2020年東京オリンピックの聖火ランナーに
内定した、日本柔道の代表コーチ、鈴木桂治の一瞬に迫ります。

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2004年8月20日。
     
アテネオリンピック、柔道男子100キロ超級、決勝。
     
鈴木桂治は、両頬を、手のひらで
     
ピシリと叩き、ロシアのトメノフに対峙(たいじ)した。
     
3回戦、準々決勝、準決勝と、全て「内また」で一本勝ち。
     
トメノフは手ごわい相手だが、勝算はあった。
     
日本柔道チームは今大会、初日からメダルラッシュに沸いていた。
     
流れも、来ている。
     
ただ・・・鈴木は前日、8月19日のことを振り返る。
     
彼にとって永遠のライバル、因縁の相手だった井上康生が、メダルなしに終わったのだ。
     
思えば、2年先輩の井上が常に壁のように立ちはだかっていた。
    
鈴木になかなか出番が来ない時期が長く続いた。
     
苦しかったことが走馬灯のように彼の脳裏に浮かんでは消えていく。
     
4年前のシドニーでは、金メダリストの練習パートナーだった。
     
ついに、全てをぶつけるときが来た。
     
鈴木桂治は、深い青の柔道着を、ぎゅっと、整えた。

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「常に命がけ。本気。覚悟を持って臨むからこそ、実力が発揮できる。」

そう思いながら突き進んできた鈴木桂治選手のアテネオリンピックの舞台裏に

今回はフォーカスしました。

井上康生という巨大な壁。その井上康生が前日に敗退。

2番手の男、鈴木が、金メダルへの覚醒のスイッチが入った瞬間でもありました。



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