JOC企画 スポーツラジオ番組 MY OLYMPIC STORY

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オリンピックには言葉にして伝えたい物語がある・・・
あのとき、あの瞬間、アスリートたちが感じた運命の一瞬を池松壮亮の朗読でご紹介していきます。Personality 池松壮亮

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OnAir Report - オンエアレポート

塚原光男の、運命の一瞬

2020.05.15

【2020/5/16 O.A】
マイ オリンピック ストーリー。
アスリートたちが感じた運命の一瞬。

今週は、体操界に『月面宙返り』で革命を起こした、塚原光男の
運命の一瞬をお届けしました。

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1976年、モントリオールオリンピック。
     
体操男子団体総合。
     
最終演技者の鉄棒の超人は、追い詰められていた。
     
塚原光男(つかはら・みつお)。
     
彼には、前回大会で初めて披露した伝家の宝刀がある。
     
『月面宙返り』、ムーンサルト!
     
後方2回宙返り1回ひねりでフィニュッシュする姿は、
     
無重力を舞う宇宙飛行士に見えた。
     
高難度ウルトラCの技は、塚原の文字通り、血のにじむような努力の結晶だ。
     
ミュンヘンオリンピックでは、9.90の大会レコードを出した。
     
でも・・・。足がふるえる。
     
さまざまなアクシデントの末、9.50以上出さなくては、
     
金メダルは獲れない。
     
5連覇がかかった特別な金メダル。
     
今まで感じたことのないプッシャーに、さすがの塚原も押しつぶされそうだった。
     
ふと、脳裏に救急車のサイレンが響き始める。
     
失敗する・・・きっと、オレは失敗してしまう・・・。
     
まずい・・・早く鉄棒に飛びつかなくてはならないのに、
     
足が、止まったまま、動かない!


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家の近くにあった大きく育った木。
まわりの子どもたちは、「あの木にはゼッタイ、のぼれないね」
でもある日、塚原は、木に飛びついた。
必死で、上を目指し。
前人未到をやり遂げるワクワクが勝る。

子供のころの原体験・・・そこから広がる誰も見たことのない風景。
人間の無限の可能性を垣間見れた今回のストーリーでした。

塚原光男
1947年12月22日生まれ、東京都出身。     
日本体育大学在学中に、メキシコオリンピックに出場。
以来、ミュンヘン、モントリオールと3大会連続で
オリンピックで日本体操界を牽引。
1970年に跳馬で「ツカハラ跳び」、1972年に鉄棒で
「月面宙返り」という新しい技を開発し、世界にニッポンの体操
の底力を見せつけた。
引退後は指導者として体操界に貢献、2009年、
紫綬褒章を受章した。
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