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芥川賞を受賞した女性作家が集まった対談で、小川さんをはじめ数人から「影響を受けた作品」として名前があがったという『鍋の中』。おばあさんと孫たちの一夏の思い出を綴った物語と思って読みだすと、なんとも掴みどころのない展開に当惑させられっぱなしです。小川さんいわく、何気ない日常を描いているのに、それが特別な文学になっているのがこの作品の凄いところなのだそう。おばあさんの背中の皮をひっぱると立派な富士山ができそう・・・と主人公が妄想するシーンなどは、「確かに!」と共感するものの、こんなことなかなか思いつきませんよね。優れた作家はやはり人とは違う特別な「目」で世界を見ています。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2014年7月27日
バーナード・ショー
『ピグマリオン』

2014年7月20日
堀江謙一
『太平洋ひとりぼっち』

2014年7月13日
森鷗外
『最後の一句』

2014年7月6日
森鷗外
『高瀬舟』

アーカイブ
野ばら/エリザベス・ブライト(ピアノ)
「鍋の中」では、いとこの縦男がおばあさんの家の少々壊れたオルガンで、「野ばら」を弾いています。おばあさんは昔学校の先生でした。
You Are What You Eat/矢野顕子
たみが作る毎日の晩ごはんや、大きな鍋や、畑の野菜が重要な役割を果たしています。17歳のたみが、この夏、5人分の食事の管理ができるようになった、というところも印象的です。
らせんのファンタジー/ウルフルズ
おばあさんが話してくれる、自分につながる死者たちの物語が若者たちに新たな感情を呼び起こします。「えんどう豆の法則」もしばしば登場しますが、それはDNAの”らせんのファンタジー”?
 
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