2022年8月14日

あまんきみこ
『ちいちゃんのかげおくり』
(あかね書房)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「終戦の日」を前に選んだのは、あまんきみこさんの「ちいちゃんのかげおくり」。戦争を描いた童話で、小学3年生の国語の教科書にも掲載されている作品です。今回は、1982年に出版された、上野紀子さんの絵が印象的なあかね書房「あかね創作えほん11」で味わいました。「かげおくり」とは、自分の影を目に焼き付けて、空を見上げると影の残像が見えるという遊び。ちいちゃんは、おとうさんに教えてもらって、家族みんなで楽しみます。そのひとときがあまりにも幸せで、そのあとに戦争が引き起こす悲劇が苦しくて読めないほど。しかしそれが戦争。今あらためて多くの人に手にとってほしい絵本です。

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