2022年7月17日 | |||
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光文社古典新訳文庫の「ワーニャ伯父さん」で翻訳を手掛けられた浦雅春さんの解説も興味深い内容。「ワーニャ伯父さん」は「中年文学である」と分析されています。「自分との折り合いをつけらえない苛立ち」が中年の正体。この戯曲には、ワーニャの中の「苛立ち」が描かれ、「残りの人生をどう生きればいいんだ?」と嘆きます。そして嘆くワーニャ伯父さんに、姪のソーニャはこう話します。「生きていきましょう」「ほかの人のために、今も、年を取ってからも働きましょう」・・・。自分と折り合いをつけられない中年の苛立ちは、どんな時代にも、国や地域が違っても共通のテーマ。だからこそ戯曲「ワーニャ伯父さん」は、時代や場所を超えて親しまれているのかもしれません。 |