心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
昨年最も売れた文芸書として話題になった宇佐見りんさんの小説「推し、燃ゆ」。2020年に発表され、第164回「芥川賞」受賞作です。「推し」とは「推薦する」という言葉が元になっていて、人にすすめたいほど気に入っているもの。熱狂的に応援しているものというような意味を持っています。物語の主人公「あかり」の「推し」は「上野真幸」。12歳の頃、舞台でピーターパンを演じていた彼は、現在「まざま座」というアイドルグループのメンバーとして活躍しています。しかし小説の書き出しは「推しが燃えた」という言葉。あかりの「推し」がファンを殴り、炎上したところから物語がはじまります。
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