2022年5月8日

池波正太郎
『鬼平犯科帳』
(文春文庫)

1968年(昭和43年)から連載がはじまり、池波正太郎さんが亡くなる平成2年まで続いた時代小説「鬼平犯科帳」。ひとつひとつの物語が完結している短編小説の連作ですが、いくつか長編小説としても発表されていて、今回取り上げたのは「迷路」という特別長編です。ちなみに江戸時代の中期には、江戸の町に放火犯や盗賊が多く現れたため、それを取り締まる役所「火付盗賊改方」が設けられました。そのリーダーが長谷川平蔵。モデルとなる実在の人物がいたということですが、特別長編「迷路」の冒頭でも「尋常に御縄を受けよ」という決め台詞とともに盗賊たちを捕まえます。しかしこれで一件落着かと思いきや、ここから「迷路」のようなあらたな事件へとつながっていきます・・・。

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