2022年4月10日

レイチェル・カーソン
『沈黙の春』
(新潮文庫)

レイチェル・カーソンというと、2009年には「センス・オブ・ワンダー」というエッセイ集を取り上げたことがあります。姪の息子ロジャーと一緒に海辺や森を探索して、その神秘の不思議を感じとる素晴らしさが綴られていました。今回の「沈黙の春」とはアプローチは異なりますが、どちらも自然の尊さを教えてくれます。化学物質の影響で春になっても鳥が鳴かなくなるという恐ろしい状況を「Silent Spring(沈黙の春)」という詩のように美しい言葉で表現したレイチェル・カーソン。科学と文学、その両方の視点を持った特別な存在です。「沈黙の春」を発表した当時、すでに癌を患い、2年後の1964年4月14日、56歳でこの世を去っています。

...前に戻る