2022年3月27日 | |||
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桜が美しい山の谷間で、たったひとり炭を焼く日々を続けてきた青年。彼の心を大きく揺らす出来事が、ある春の日に起こります。それは山主が家族を連れて花見にやってきたこと。途中歩けなくなった山主の娘をおぶった青年は、今まで感じたこともない切ない感情を抱くのです。江見水蔭が小説「炭焼の煙」を発表したのは27歳の時ですが、その後も幅広く活動を続け、シェイクスピアの「オセロ」の翻案や探偵小説、冒険小説も数多く執筆。考古学にも興味を持ち、また相撲好きでも知られています。明治39年に建てられた初代「国技館」の開館式のために作った文章の中に「相撲は国技なり」とあり、そこからその建物が「国技館」になったとも伝えられています。 |