2022年1月9日

織田作之助
『馬地獄』
(筑摩書房)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

2022年は、作家、織田作之助の没後75年。1947年(昭和22年)1月10日、33歳でなくなっています。織田作之助と言えば、まず浮ぶのが、メロディアス・ライブラリーでも取り上げたことのある小説「夫婦善哉」。大阪を舞台に、陽気でしっかり者の芸者「蝶子」と甲斐性なしの夫「柳吉」による笑いあり涙ありの物語です。今回取り上げた「馬地獄」は、その「夫婦善哉」が刊行された翌年の昭和16年に発表した掌編集「動物集」の中の1編。大阪の中之島を舞台に、荷車を引く馬の憐れと人の心を重ね合わせた小説。文庫本でたった4ページの短い作品ですが、「馬地獄」という題名とともに強く心に残ります。

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