2021年8月1日

土家由岐雄
『かわいそうなぞう』
(学研)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

8月にあらためて読みたい「かわいそうなぞう」。戦時中におこった実話をもとに土家由岐雄さんが1951年(昭和26)に発表したノンフィクションの童話です。教科書にも掲載され、また評論家の秋山ちえ子さんが8月15日前後に長年ラジオをとおして朗読を続けられていました。舞台は、太平洋戦争の時代の上野動物園。東京の空襲が激しくなり、もし動物園に爆弾が落ちたら檻が壊され、動物たちが町で暴れることになるかもしれません。そこで軍は動物たちを殺すように命じました。ライオン、トラ、ヒョウ、クマ、大蛇が毒薬を飲まされ、続いて3頭の象たちも殺されることになるのです。

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