2021年7月11日

清少納言『枕草子』
(河出書房新社)

一条天皇の中宮に仕えていた清少納言。そのため「枕草子」を読むと、当時の宮廷の様子も知ることができます。また「興ざめするもの」「気が緩むもの」「人からばかにされるもの」「憎らしいもの」など、清少納言が自分の感性でさまざまなものを分類していくのも面白く、思わず「あるある」と共感してしまいます。1000年前の人たちと通じ合える楽しさが満載の「枕草子」。酒井順子さんは「随筆のあらゆる可能性が詰まっている」と感じたそうです。「再読の楽しみ」は、同じ作品でも自分が読んだ年齢や時代によって感じ方が変わってくることですが、さらに今回は翻訳の違いによっても、作品の魅力が広がることを実感することができました。

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