2021年6月20日

トーベ・ヤンソン
『ムーミン谷の夏まつり』
(講談社文庫)

6月のムーミン谷をおそったのは火山の噴火。やがて洪水となりムーミン一家も流されてしまいます。そして偶然移り住んだ場所は劇場。そこにはエンマという人物が住んでいました。舞台監督フィリフヨンクさんが亡くなったあと、奥さんのエンマさんがひとりで劇場を守ってきたのです。劇場がどういう場所かもわからなかったムーミン一家と仲間たちが演劇に挑戦するという楽しいお話。そこには哲学のようなエンマさんの言葉も掲載されています。「劇場へ行けば誰でも自分にどんな生き方ができるか、見ることができる」。ムーミン童話のシリーズが、子供だけでなく大人たちにも長く愛されているのは、作品の中で人生の哲学や真理を見つけることができるからかもしれません。

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