2021年5月16日

『芭蕉全句集』(角川ソフィア文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

江戸時代の俳人、松尾芭蕉は今から332年前の元禄2年、旧暦の3月27日(今の暦で5月16日)に江戸を発って「おくのほそ道」の旅に出ました。それにちなんで選んだのが「芭蕉全句集」。この1冊に彼が残した俳句980余が掲載されています。その中で最初に味わったのが「草の戸も 住替る代ぞ ひなの家」。「おくのほそ道」の旅に出るため芭蕉庵を手放し「これからは雛飾りのある賑やかな家になるのであろうな」と呟いています。その後160日間の旅を続けた芭蕉。江戸から北へ進んで日光をとおり宮城県の松島へ。さらに日本海側に出て岐阜の大垣へ。その旅の途中でいくつもの名句を残しています。

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