2021年5月9日 | |||
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小川未明は、童話「野ばら」を1920年(大正9年)、38歳の時に発表しています。それは第一次世界大戦が終わって2年たった頃のこと。そして「野ばら」の発表から10年たった昭和5年にこんな文章を残しています。「朝に晩に、寒い風にも当てないようにして、育ててきた子供を機関銃の前に、毒ガスの中にさらすことに対して、ただこれを不可抗力の運命と視して考えずにいられようか?」さらにこうも綴っています。「戦争!それは決して空想ではない。しかもいまの少年達にとっては、現実の問題として真剣に迫りつつある。」しかし小川未明が童話「野ばら」に込めた想いはかなわず、第二次世界大戦がはじまってしまうのです。 |