2021年1月31日

深沢七郎
『みちのくの人形たち』
(中公文庫)

日曜日の午後、あるヒトが語り手である「私」の家にやってきます。知り合いでもないそのヒトの招待で、東北の山里の家を訪ねる「私」。その土地では、お産が近づくと村人たちが屏風を借りにこの家にやってくるのです。「私」が見てしまったものは、逆さに立てられた屏風と線香の匂い。それは何を意味するのでしょうか? 小川洋子さんが小説「みちのくの人形たち」に出会うきっかけは平松洋子さん。同世代で同じ岡山出身、同じ名前のお二人は、2015年に対話集「洋子さんの本棚」を出版されています。お二人が人生の中で出会った大切な本を伝え合う中、平松さんのおすすめのひとつが深沢七郎さんのこの小説でした。他にも興味深い本が紹介されている「洋子さんの本棚」。ぜひこちらも手にとってみてはいかがでしょうか?

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