2021年1月24日

アントニオ・G・イトゥルベ
『アウシュヴィッツの図書係』
(集英社)

1939年3月15日、ドイツ軍がチェコに進攻すると、プラハで生まれ育ったユダヤ人の少女ディタの人生は大きく変わってしまいます。両親とともにチェコ北部のテレジーンにあるゲットーで1年間過ごしたあと「アウシュヴィッツ強制収容所」に移送。家族棟に収容されます。昼間は子ども専用のバラックで過ごすディタは、フレディ・ヒルシュというドイツ出身のユダヤ人青年と知り合い、彼の指名で図書係になるのです。アウシュヴィッツに収容された人たちの運命とともに、人生の苦境にたった時、本がいかに人間にとって大きな存在であるかを教えてくれる作品。そして図書係として収容所の本たちを守ってきたディタは、過酷な時間を生き抜き、あらたな未来を見つけていきます。

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