2020年12月20日

オー・ヘンリー
『最後のひと葉』
(岩波少年文庫)

「最後のひと葉」が発表されてから113年がたっていますが、あらためて読んでも古くなく、現代に通じる部分も多い短編小説です。物語の舞台は、芸術家が集まるニューヨークのグリニッジビレッジ。そこで暮らす絵描きの卵スーとジョンジー。小説の中ではっきりとは書かれていませんが、彼女たちは同性のカップルなのではないでしょうか?オー・ヘンリーは、20世紀はじめのニューヨークを生き生きと表現した作家。そこには現代とも重なる世界が描き出されています。病が広がり、多くの人を苦しめている状況。そこで生きる力を与えてくれるのは、何なのか?100年前も100年後の今も、変わらず力を与えてくれるのは、「愛」だということを教えてくれます。

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