2020年07月26日

江戸川乱歩
『鏡地獄』
(角川ホラー文庫)

江戸川乱歩は、人間がしゃがんだ形と椅子がダブって見えたことから「人間椅子」という小説を生み出しました。そして今回の「鏡地獄」は、「科学画報」という雑誌の質問コーナーにあったこんな言葉から思いついたそうです。「球体の内面を全部鏡にして、人がその中に入ったらどんなふうに見えるでしょうか?」。日常の中で目にする様々なものから奇抜なアイデアを思いついて、それを小説にしてしまう江戸川乱歩。彼が残した作品には今も多くのファンがいて読み継がれています。というのも乱歩の小説は時代が変わっても古くならず常に新しい。7月28日で没後55年になりますが、小説の中に息づいている彼のエネルギーは、今も怖いほど熱く伝わってくるのです。

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