2020年04月19日 | |||
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川端康成は、学生時代に伊藤初代という女性と婚約していました。彼女は13歳の頃からカフェの女給として働き、その店の常連だった川端康成と親しくなり婚約。川端が22歳。初代が15歳の時でした。しかし結局、彼女から婚約を破棄され、川端の失意は大きなものとして残っていきます。その想いから生まれた作品も数多く、「雨傘」をはじめ「日向」「弱き器」「火に行く彼女」「鋸と出産」「写真」「処女作の祟り」など「掌の小説」の中にも伊藤初枝との出来事が題材の作品が掲載されています。またこの他にも「骨拾い」など自伝的小説も収録されていて、掌編と言っても川端文学にとって大きな意味のある1冊です。 |