心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
1980年代には、赤川次郎さんの小説が原作の映画がヒットしました。薬師丸ひろ子さん主演の「セーラー服と機関銃」、渡辺典子さんの「晴れ、ときどき殺人」、そして原田知世さんの「愛情物語」「早春物語」。今回は、角川文庫の「赤川次郎ベストセレクション」の中から3月にあわせて「早春物語」を取り上げました。1985年に発表され、この年に映画化された小説。そのプロローグは衝撃的な内容です。あるビルの1階ロビーに、田中一郎という若い社員が、親会社の役員たちを待っていました。そこに現れた若い娘。彼女は、ビルに入ってきた梶川という男に対して「ごまかさないで!」と激しく詰め寄り刺してしまうのです。
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