2019年10月20日 | |||
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メロディアス・ライブラリーでは以前、有島武郎の「生れ出づる悩み」を取り上げましたが、弟の里見クとは小説の世界観も、生き方もまるで違います。有島武郎は45歳で自ら命をたっていますが、弟の里見クは昭和58年、94歳で亡くなっています。ペンネームの決め方も独特。電話帳でページをめくってトンっと突いたところが「里見」という名前のページだったから里見ク。またこんな言葉も残しています。「美しく書こうとしたってわからないんじゃしょうがないからね。わかるためには口で言うとおりに書けばいいんだよ」。小説にも、人生にも、楽しく軽やかに自由に向き合った里見ク。その生き方が「秋日和」にも表れています。 |