2019年09月08日

トールキン
『ホビットの冒険(下)』
(岩波少年文庫)

「ホビットの冒険」は、ただハラハラドキドキする冒険物語ではなく、文学としても読みごたえのある作品。というのも作者のトールキンが言語学者で、深い知識の中からこの物語を創造し完成させたからです。彼は、母校であるオックスフォード大学でも教えていたことがあり、また「ナルニア国物語」の作者として知られるC.S.ルイスとも親交が深かったそうです。C.S.ルイスは、トールキンに「ホビットの冒険」の原稿を出版社に送ることをすすめ、さらにこの物語が世に出ると、賞賛する書評も雑誌に載せています。トールキンが「ホビットの冒険」や「指輪物語」を発表することができたのも、よき理解者の支えと励ましがあったからなのです。

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