心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
ドイツのノーベル賞作家ヘルマン・ヘッセの「メルヒェン」。断続的に発表された創作童話を1冊にまとめて1919年に刊行しているので、今年は100年目にあたります。童話と言っても大人のための「メルヒェン」。その最初に収められているのが「アウグスツス」という物語です。「みんなが愛さずにはいられないように」という願いをかけられた少年アウグスツス。しかし愛されることに慣れすぎて傲慢になっていきます。その後、人生に絶望したアウグスツスが最後に願ったことは、自分自身が人を愛することでした。ひとりの人間の誕生から死までを描き、人間にとって大切なものは何なのか?人生の本質に迫った大人のための童話です。
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