2018年12月16日

トーベ・ヤンソン
『ムーミン谷の冬』
(講談社文庫)

深い雪の中をたったひとり出かけていくムーミントロール。そこで出会ったのが「おしゃまさん」。赤と白のストライプのセーターを着て、冬の間、ムーミンたちの「水あび小屋」に住んでいる人物です。冬というムーミントロールの知らない世界を熟知し、哲学的な言葉で導いてくれる「おしゃまさん」。この人物には、モデルがいるとか。トゥーリッキ・ピエティラという美術家で、この童話を発表する3年前、トーベ・ヤンソンは彼女と知り合い、はじめて親友と呼べる存在になったそうです。「ムーミン谷の冬」を発表した当時、43歳だったヤンソン。ムーミンを題材にしたコミックを新聞に連載するなど多忙で、アーティストとしても悩んでいた頃。ピエティラは、彼女にとっての「おしゃまさん」のような存在だったのかもしれません。

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