2018年4月29日

アンネ・フランク
『アンネの童話』
(文春文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ占領下のオランダ・アムステルダムで、2年もの間、隠れ家生活を続けていたアンネ・フランク。そこで綴ったのが、世界中で読み継がれている「アンネの日記」です。実は彼女が残したのは日記だけではありません。童話やエッセイも綴っていて、それを1冊にしたのが「アンネの童話」。去年の12月に文春文庫から新装版が出版されました。翻訳は、絵本「ぐりとぐら」で知られる中川李枝子さん。装丁と挿絵は酒井駒子さん、そして解説は小川洋子さんが担当しています。「アンネの日記」を読んで自分でも日記をつけ始め、それが言葉で表現することの原点になった小川さん。解説を書くことで、アンネ・フランクとささやかな共演ができたように感じたそうです。

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