心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
1941年12月7日(日本時間12月8日)、真珠湾攻撃によって日本とアメリカの間で戦争がはじまりました。そのことをきっかけに差別的な対応を受け、収容所に送られた日系アメリカ人たち。ジョン・オカダの小説「ノーノー・ボーイ」は、ひとりの若者の苦悩を通して、当時、日系アメリカ人が置かれた状況を描き出しています。彼らが収容所に入れられたあと、アメリカ陸軍は志願兵を募るため、国家への忠誠心を調べる33項目の質問状を送りました。特に重要な二つの質問にどちらも「ノー」「ノー」と答えた人たちが「ノーノー・ボーイ」。この小説の主人公イチローは、正確には「ノーノー・ボーイ」ではありませんが、アメリカ国家に背いた点ではそう呼べるのかもしれません。
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