心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。
4月5日に86歳で亡くなった大岡信さんを偲んで、「折々のうた」夏編を取り上げました。朝日新聞に1979年から2007年まで連載されていた人気コラムを春夏秋冬の4冊にまとめたシリーズ。今年の1月1日には冬編を味わいましたが、今回の夏編も大岡信さんの選びだした詩歌とその解説の素晴らしさに思わず唸ってしまいます。万葉集に収められている和歌から谷川俊太郎さんや寺山修司など現代に発表された詩や短歌など68編。また夏編ということもあり戦争についての詩歌も掲載されています。たとえば昭和のはじめに活躍した俳人・渡辺白泉の「戦争が廊下の奥にたってゐた」はどんな時代にも人々の心に訴えかける俳句です。
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