2017年5月21日
ユーゴー
『レ・ミゼラブル(上)』
 (岩波少年文庫)

1本のパンを盗んだことで19年も監獄に入れられていたジャン・ヴァルジャン。そんな彼に手を差し伸べたのがミリエル司教です。家に招きいれ泊まらせ、さらにヴァルジャンが銀食器を盗んだことを責めず、銀の燭台まで渡すのです。そのことをきっかけに彼の心は少しずつ変化していきます。そしてもう一人の重要な登場人物は、悲しい生い立ちを持つ少女コゼット。彼女を過酷な状況から救い出そうとするのがヴァルジャンです。「みじめな人々」という意味の「レ・ミゼラブル」。ユーゴーは時代に翻弄されるみじめな人々の中にも光を見出し描いています。そして読者はその光を頼りに長い続く物語の先へと導かれていくのです。

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